common disease102

【臨床症状】60代 検診で異常陰影

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 右肺中葉S5抹消にコンソリデーションを認める
    • その他にも右S3に5mm程度の結節影、左S5に線状影を認め、いずれも炎症性変化によるものと考えられる
    • 特に左右肺S5については、肺容積が縮小し、病変内気管支の拡張も伴っているのが分かる
    • 画像上、瘢痕性無気肺が疑われた

    【無気肺】

    ・無気肺(atelectasis)とは肺胞内の含気が低下し、肺の膨張が不完全な状態のこと

    ・いくつか原因があり、次のように分類される

    • 閉塞性無気肺:腫瘍や異物、気管支分泌物による気道閉塞
    • 圧迫性無気肺:胸水、気胸、縦隔腫瘍などによる圧迫が原因のもの
    • 粘着性無気肺:肺界面活性の低下によるもの
    • 瘢痕性無気肺:炎症性病変の瘢痕化や間質性肺炎の線維化によるもの

    ・画像所見としては、肺含気低下による局所不透過陰影や周囲構造の偏位など

    ・心臓や大動脈シルエットの消失、葉間裂の偏位、患側横隔膜挙上、縦隔や肺門の患側偏位、肋間腔狭小化などの間接所見も重要

    ・右肺上葉の完全無気肺、左右下葉の無気肺はしばしば見逃される事があるので注意する

    ・その他に特別なケースとして以下のものがある

    《板状無気肺(discoid atelectasis)》

    ・肺の一部が帯状に無気肺となったもの、術後変化で横隔膜の運動性が低下した場合に下肺野に線状影として見られる事がある

    《円形無気肺(round atelectasis)》

    ・円形無気肺とは、肺組織が限局的に虚脱して肥厚した臓側胸膜が肺側に折れ込んだ状態

    ・円形無気肺は、肺組織が限局的に虚脱して肥厚した状態で、臓側胸膜が肺側に折れ込み腫瘤影状を呈すの限局性無気肺の事

    ・発生機序は炎症などによる胸水貯留で肺が虚脱し周囲組織を巻き込みながら折れ曲がる事で発生する説と、アスベストーシスなどで臓側胸膜に線維化が起こり、胸膜が収縮し折れ曲がり発生する説がある

    ・心不全や外傷によっても発生する事がある

    ・男性に多く、好発部位は背側(S6~10)

    ・時に肺癌との鑑別が問題になる事がある

    ・円形無気肺の画像所見は次の通り

    周囲の気管支や気管支動脈を巻き込むようなcomet tail signを呈する事がある

    円形の腫瘤影

    胸膜肥厚や胸水を伴う事が多い

    参考文献:苅田真, 武井秀史, 松脇りえ 他, 肺癌との鑑別が困難であった肺尖部円形無気肺の1例, 呼吸器外科雑誌24巻2号
    参考書籍:ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版
         困ったときの胸部の画像診断

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