フルニエ壊疽(Fournier’s gangrene)

・・・である!と。よし送信や。あと、これも送っとこかな。・・・に注意。と。

SNSですか?

おお!若造か!

せやねん。ワシな、最近、読書を始めてて、そのメモとアウトプット代わりにでツイッターが使えへんかと思て、実際に試してみとる訳よ。

って言っても、なんせ始めたのが昨日からやから、まだ効果は分からへんけどな。1ヶ月くらいは様子見や。

ただ知った事を記憶に定着させるにはアウトプットする事が重要やねん。アウトプットの有無で定着率が全然違うで。これはアメリカ国立訓練研究所が発表したラーニングピラミッドが有名やな。

ラーニングピラミッド

簡単に言うと、講義や読書で知る事と比較して自ら体験したり他人に教えたりすると定着率が違うっていう研究結果や。色々と解釈はあるらしーけども、何かしらアウトプットすると定着率が上がるのは間違い無いと思うてるわ。

せやからワシが教えた内容を普段の検査で使ってみるのはとても記憶定着にとってエエ事なんやで。

って事で今日もレクチャー始めていくで。

フルニエ壊疽(Fournier’s gangrene)とは

フルニエ壊疽の概要

今日はフルニエ壊疽について話していくで。フルニエ壊疽って聞いた事あるか?

正直、名前は聞いた事がありますが、実際どんな症例で画像所見はどんなのかまでは知りません。

ほな今回でマスターしていこか。

フルニエ壊疽っちゅーのは、陰嚢や肛門周囲のような会陰部に発生した壊死性筋膜炎を言うねん。

急速に進行して敗血症を来す病気やから、早い診断と治療が必要やねんで。ちなみにガスを伴う壊疽は1時間に2㎝も進展するとも言われてる。せやから早めの診断と治療が必要なんや。

ほんで、この病気は死亡率がメチャ高いのも特徴や。その確率たるや15~50%とも言われとるで。

発症後12時間以内の手術なら死亡率が10%やけど、それ以上やと50%以上という報告もあんねんで。

フルニエ壊疽の疫学

フルニエ壊疽は比較的稀な疾患で、アメリカのデータやと10万人中数人との事や。

外傷、医原性、肝硬変、ステロイド、糖尿病、免疫抑制状態、肥満など原因は多くあるんや。

男性が圧倒的に多く、発症者の半数が糖尿病患者で、糖尿病は重症化の危険因子というデータもあるわ。

こう見ると、フルニエ壊疽だけやなくて、糖尿病は色んな病気の原因やったり誘因ファクターなのが分かると思う。いかに普段の食生活や運動が大切かって事やな。

ちなみに原因菌はブドウ球菌や連鎖球菌など様々やで。

臨床症状

臨床症状は強い痛みがメインやな。

進行すると意識障害までになる事もあるで。皮膚所見がないのにも関わらず強烈な痛みや、皮膚所見の範囲を超えての強烈な痛みがある場合はNSTIを疑う事も考慮や。NSTIについては後で話していくで。

治療法

治療法は投薬と外科的治療や。外科的に壊死している部分を切除すんねん。

「デブリードマン」とか「フルニエ壊疽 デブリードマン」で検索かけてみればイメージつく画像が出てくるで。ちなみに、そこそこエグイ画像が出てくるから注意や。

画像所見

フルニエ壊疽の画像所見

次に画像所見についてや。

陰嚢部や会陰部の軟部組織の腫脹や脂肪組織濃度上昇、筋膜の肥厚や液体貯留、皮下気腫などがあるで。

皮下気腫はフルニエ壊疽に特徴的なんやけど、早期の例ではガス像が無い場合もあるから要注意や。

どちらかというと臨床症状で診断して、CTでは進展度を確認する意味で検査することが多いな。せやから腹壁や後腹膜もよく見るんやで。

該当部位の皮下気腫があれば、ほぼ確定と見ても大丈夫なんでしょうか?

せやな、壊死性筋膜炎の場合は90%でガス像を認めるとあるから、他に筋肉の炎症もあれば、ほぼ確定としてもええかもな。

でも、ここで重要なのは壊死性筋膜炎を疑えるかどうかっちゅーことや。疑えれば専門医にコンサルする事も出来るしな。

実際の症例

実際の画像や。皮下に気腫を認めるやろ。特徴的な所見やな。

骨盤CT フルニエ壊疽
Case courtesy of Chris O'Donnell, Radiopaedia.org

別症例や。左皮下の広範囲に炎症所見と気腫を認めるで。

腹部CT フルニエ壊疽
Case courtesy of Hein Els, Radiopaedia.org

鑑別診断のポイント

NSTIについて

鑑別診断のポイントやけど、鑑別診断というよりは壊死性軟部組織感染症の事を話しとこか。

昔は壊死性筋膜炎と呼ばれていたんやけど、実際は皮膚から筋肉までの軟部組織の壊死性感染症全般を指すねん。

これが実態と合ってへんって事で、最近は壊死性軟部組織感染症(Necrotizing soft-tissue infection:NSTI)と呼ぶ事が推奨されてきてんねん。

NSTIは原因菌が複数の場合をType1、単一菌の場合をType2、沿岸地域で起きた水中の負傷が原因なのをTpye3と分離してるで。

フルニエ壊疽はType1に分類されるんや。覚えておいて損は無いで。

まとめ

今日はフルニエ壊疽についてレクチャーしたで。ポイントは2つや。

会陰部に発生した壊死性筋膜炎で進行が早く発症から12時間後は生存率が50%以下になる

CT画像では皮下の気腫が特徴的(90%以上で認めるが初期は認めない事もある)で周囲に炎症所見もある

こんな感じや。まずNSTIがあって、その中で原因菌が複数か単一かでType分類されるのと、深達度によって壊死性蜂窩織炎、壊死性筋炎にも分けられるで。フルニエ壊疽はType1で壊死性筋膜炎に該当するんや。

最初にも言ったけど、今まで習得した知識を実際の臨床で活かせるようになって初めて自分のものになったと言えるんや。

その為にはアウトプットが重要やねん。何も最終的な診断をつける訳やないんやから、どんどん読影にチャレンジしてみればええねん。

間違えても恥ずかしい事なんか1ミリもあらへん。恥ずかしがって1歩踏み出さないより全然ええと思うで。

最終診断は医師がやる事やしな。そのために専門医という試験まであるくらいやからな。

なんか今回は真面目な回になりましたね。

たまにはこういうパターンもええやろ。メリハリやで。

ほな、これからも精進しいやー!