救急34

【臨床症状】60代 上腹部痛 30年前に十二指腸潰瘍手術歴あり 10年前から腹部膨満あり CRP上昇

【問題】画像所見と診断名は?

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    • 腹壁の欠損を認め、横行結腸が腹壁内に突出している
    • 腹壁ヘルニアの所見だが、これによる腸管の閉塞や絞扼を示唆する所見は無い
    • またその右側に周囲の脂肪濃度上昇とエアーを伴う皮下腫瘤も認める
    • 画像所見から、まずは膿瘍を疑う
    • その後MRIが撮影され、同部位に脂肪抑制や拡散強調で高信号、周囲の造影効果を認める事から、膿瘍と診断された
    • 治療のため他院紹介となる
    • 他の所見として胆石、腎結石、腎嚢胞
    MRI画像は非提示 右上がT2脂肪抑制、左下が拡散強調、右下が造影画像

    【腹壁ヘルニア】

    ・腹壁ヘルニアは嵌頓は稀だが、発生部位により次の用に大別される

    <正中腹壁ヘルニア>

    • 臍ヘルニアや白線ヘルニアなど
    • 臍ヘルニアは後天的には肥満女性に多い
    • 白線ヘルニアは臍から頭側6cmの範囲が好発部位

    <側副壁ヘルニア>

    • 半月状線ヘルニアとも言う
    • 半月状線は腹直筋の外側のラインのことで、腹直筋鞘後葉の欠損部となる弓状線より尾側が好発部位
    • 性差はなく40~70代に多い

    <腹壁瘢痕ヘルニア>

    • 外傷後や開腹手術後の腹膜が癒合せず開いたままである場合に生じるヘルニア
    • 手術後の感染、加齢による腹筋の脆弱化、妊娠や腹水などの腹圧上昇が原因となる
    • Richter型ヘルニアの報告が多くなってきている

    ※Richter型ヘルニアとは腸管全体ではなく、一部分のみ嵌頓し絞扼を来している状態のこと

    参考書籍:分かる!役立つ!消化管の画像診断

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