悪性腫瘍28

【臨床症状】60代 下腹部痛 20年前に大腸癌の既往歴あり

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240722103426_Image001
 
➡ 冠状断画像
CT_20240722103426_Image286
 

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    • 単純画像は撮影されていないが、早期相、実質相において右尿管(U2)に濃染される腫瘤影を認める
    • 大きさは4.5×3.8cm程度
    • 周囲リンパ節(外腸骨、傍大動脈)の腫大を認め、転移疑い
    • またこれに伴い、右腎盂や尿管の拡張を認め水腎症の状態である事が示唆される
    • 上記より、右尿管癌、リンパ節転移疑いとされた
    • その後、治療のため紹介となり化学療法(キートルーダ)を実施
    ※ 早期相の冠状断像、排泄相の横断像/冠状断像は非提示

    【尿管癌】

    ・尿管癌(ureteral cacrinoma)は尿管腫瘍の75%程度を占める

    ・加齢、男性、喫煙などがリスクファクターとして知られている

    ・尿路上皮癌が90%以上で、他に腺癌や扁平上皮癌、神経内分泌腫瘍など

    ・腎盂/尿管癌の治療法は基本的に全摘出だが、リンパ節転移の有無により術前化学療法も施行される

    ・肉眼的血尿によって発見される事が多い

    ・この辺りは腎盂癌とほぼ同様

    ・画像診断ではT2とT3の判断から可能になるが、炎症との鑑別が困難な場合も多い

    ・画像所見は次の通り

    1. 腎盂に壁肥厚や腫瘤を認める
    2. 病変の造影効果は弱く、排泄相では欠損陰影として確認できる
    3. 実質相における腫瘍と結石、血塊との鑑別が難しい時はCT値を参考にする(腫瘍は30~50HU程度)
    4. 辺縁平滑な壁肥厚のみ、索状影があるもの、辺縁平滑な腫瘤影のみの場合はT2以下の判断材料となる
    5. 左右非対称の壁肥厚と索状影、辺縁平滑な腫瘤影と索状影、辺縁不正な腫瘤を認めた場合はT3以上と判断する
    6. MRIの拡散強調画像が病変の検出や実質浸潤の評価に役立つとのデータもある
    参考書籍:知っておきたい泌尿器のCT・MRI 改定第2版

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