整形54

【臨床症状】60代 数か月前からの全身痛

【問題】画像所見と診断名は?

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※ T2WI、T1WI、脂肪抑制の矢状断、T2WIの横断像(頸椎レベル)の順に表示

➡ 造影MRI
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※ 矢状断、横断像(頸椎レベルのみ)の順に表示

    ▶答えはこちら
    • C-6、Th-1、Th-9、Th-11、L-1、S-2にT1WIで低信号、脂肪抑制画像で高信号の病変を認める
    • このうちの多くの椎体で椎弓まで病変が進展しているのが確認できる
    • またC-6の左側に腫瘤影あり
    • C-4からTh-1レベルにかけて、椎体前面/後面/硬膜に及ぶ造影効果を認める
    • 上記より多発性骨転移が疑われる
    • 原発精査のためにFDG-PETが撮影
    • MRIで指摘された椎体だけでなく、肋骨や肩甲骨、腸骨にも転移を認める
    • 明らかな原発巣は指摘できない
    • 生検のために転院される
    左からFDG-PETのMIP画像、Fusion画像、造影MRI画像

    【転移性骨腫瘍】

    ・転移性骨腫瘍は脊椎の悪性腫瘍の中で最も多い

    ・中高年に見られる脊椎腫瘍のほとんどが転移性骨腫瘍

    ・乳癌、前立腺癌、肺癌からの骨転移の頻度が高いが、転移巣から原発巣を推定するのは難しい事が多い

    ・骨転移の病理分類には次のようなものがある

    1. 造骨型(15%):前立腺癌、乳癌
    2. 溶骨型(75%):甲状腺癌、肺癌
    3. 混合型(10%):肺癌、乳癌、前立腺癌
    4. 骨梁間型:肝癌、乳癌、腎癌など

    ・骨梁間型は骨梁破壊を認めないために、CTや骨シンチでは発見が難しく、MRIかFDG-PETでのみ指摘が可能と言われている

    ・骨転移の機序は直接浸潤、リンパ行性、血行性の3パターン

    ・骨転移は赤色髄の有無に関係していると言われており、赤色髄が乏しい四肢抹消への転移は稀

    ・各種画像所見は次の通り

    1. 造骨型:CTでは骨硬化像、MRIではT1WIでLow、T2WIでLow、造影で不明瞭、DWIで不明瞭、FDGでは低集積、骨シンチでは高集積
    2. 溶骨型:CTでは溶骨変化、MRIではT1WIでLow、T2WIでHign、造影効果あり、DWIで高信号、FDGでは高集積、骨シンチでは高集積
    3. 混合型:CTでは骨硬化/溶骨変化、MRIではT1WIでLow、T2WIでLow~Hign、造影効果あり、DWIで一部高信号、FDGでは部分的集積、骨シンチでは高集積
    4. 骨梁間型:CTでは変化なし、MRIではT1WIでLow~Even、T2WIでEven、やや造影効果あり、DWIでEven、FDGでは高集積、骨シンチでは不明瞭

    ・疼痛緩和のために放射線治療が行われることもある

    参考文献:骨軟部疾患の画像診断 第2版、神奈川MRI技術研究会 MRIの画像所見から見た骨転移

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