髄膜腫(meningioma)

あっ、カレーが食べたい。

いきなりすぎる。

そんな時あるやろが。無性に、かつ唐突に何かやりたくなる時が。例えば断捨離したくなったり、旅したくなったり。それよ、それ。

ワシな、他人に迷惑をかけん範囲なら好きにやってええと思うねん。色んな経験した方が自分の引き出しが増えて人生が楽しくなるで。

特にオススメなのが海外や。海外は文化の違いが凄いからな、色んな意味でカルチャーショック受けるで。でも今の子らってあまり海外に興味があらへんらしいな。ワシからするともったいない気もすんねん。若いうちだけやで。色んな価値観を吸収できるのは。まぁそれも価値観の1つなんやけど。ワシなら海外どころか、宇宙に行って火星人と話してみたいわ。「自分、何歳なん?どこ中?」って。

ってか、今すぐレクチャー始めたなってきた。アカン、この衝動が抑えられへん。さぁ、始めよか!

髄膜腫(meningioma)とは

髄膜腫の概要

今日は髄膜腫についてレクチャーしてくで。これはかなりメジャーな症例やから自分でも知ってる事多いやろ?

髄膜腫はその名の通り髄膜細胞からなる腫瘍や。髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)の分布に従って色々な箇所に発生して、中年以降の高齢者、特に女性に多いというデータがあるで。発生頻度はそこそこ高くて、全人口に対して1%という数字もある。計算すると・・・120万人か。大きすぎてイマイチ、ピンとこーへんな。発生原因は不明で、遺伝子異常が関係しているという話しもある。

髄膜の解剖

好発部位はある程度決まってて、傍矢状洞部、円蓋部、大脳鎌が多いねん。頭蓋底部やと、嗅窩部、鞍結節部、蝶形骨縁、斜台部、テント、中頭蓋窩、小脳橋角部なんかやな。

ほとんどがゆっくり成長してある程度の大きさになってから臨床症状が出てくんねん。主な臨床症状は頭痛やふらつき、痙攣なんかで、発生箇所次第で視力障害や聴力障害なんかも出てくるんやけど、腫瘍が大きくならんと症状として出てこんから基本的に無症状の時に発見される事が多いで。検診で発見されるパターンが一番多いな。

腫瘍が小さいうちは基本的に経過観察で、大きくなってきて症状が出てくるようになったら手術による摘出やったり、放射線治療を実施したりするで。良性が多いから手術で全摘出来ればそれで終いや。ただ出来た部位によっては手術で取り除くのが難しいケースもあるから、その時は放射線治療を選択する事もあるな。

特徴臨床症状
髄芽腫髄膜細胞から発生
高齢で女性に多いが、グレード1が大多数
頭痛 ふらつき 痙攣 視覚・聴覚障害など
腫瘍が小さい時は無症状な事が多い

髄膜腫って良性のイメージが強いと思うねんけど、実は悪性もあんねんで。15の亜型に分類されてグレード分類もされてるんや。こんな感じや。グレードは1~3まであって大多数がグレード1の良性なんやけど、グレード2が5%前後、グレード3が2%前後の確率や。

技師はんはここまで覚える必要は無いと思うねんけど、知っておいてもええ内容やと思うで。

グレード種類
1meningothelial、secretory、fibrous、lymphoplasmcte-rich、transitional、metaplastic、psammomatous、angiomatous、microcystic
2chordoid、clear cell、atypical
3papillary、rhabdoid、anaplastic

画像所見

髄膜腫の画像所見

次に画像所見についてやな。これは普段から見る機会が多いから分かるやろ。

境界明瞭の腫瘤でT1強調では等信号、T2強調でやや高信号で造影効果もあるで。他の所見として髄膜腫に多く認められるdural tail signがあるで。これは髄膜腫に特異的っちゅーわけやないんやけども、かなりの確率で見るから覚えておくとええで。

具体的には腫瘍の両端の硬膜が肥厚して造影効果を認めて、離れるに従って薄くなり尾がついたように見えるサインや。meningeal signって言われる事もあるで。

他には特殊な髄膜腫で、境界不明瞭で浸潤傾向があって、壊死などで内部不均一、周囲の浮腫、T2強調や拡散強調で高信号を示す髄膜腫もあるで。ただこれらもdural tail signを認める事が多から、このサインを見つける事が参考になるで。

DWIT2WIT1WICE
髄膜腫(典型例)等信号やや高信号等信号均一に造影境界明瞭で辺縁平滑で球状
dural tail sign
髄膜腫(特殊例)高信号高信号低~等信号均一に造影境界不明瞭で浸潤傾向
壊死などで内部が不均一
dural tail sign

実際の症例

実際の症例や。このへんは見た事がある人も多いんちゃうかな。

頭部MRI-髄膜腫
左上段からT2WI、T2WI、FLAIR、左下段からDWI、ADC、CE

これらはDural tail signの症例や。腫瘍の両脇に肥厚した硬膜があって造影されてるのが分かると思うで。

頭部MRI-dural-tail-sign

こっちは造影してへんけど、Dural tail signが分かるな。

頭部MRI-dural-tail-sign2

80代男性で小脳の髄膜腫でフォロー中の症例や。

頭部MRI-小脳髄膜腫

鑑別診断のポイント

転移性腫瘍など

最後に鑑別診断のポイントや。主な鑑別は転移性腫瘍や神経鞘腫、孤立性線維性腫瘍、肉芽腫性疾患などがあるで。

転移性腫瘍やと浮腫を伴っている点、神経鞘腫やとT2強調でより高信号やな。肉芽腫性疾患は多発していたり硬膜の肥厚なんかがあったりするから、よくチェックしてみる事や。

髄膜腫が小脳橋角部にできると聴神経腫瘍との鑑別が必要になる事があるで。

他にはこのあたりもチェックしておくとええで。

まとめ

今日のまとめや。今日は髄膜腫についてレクチャーしたで。ポイントは3つや。

基本的に境界明瞭で辺縁も平滑や球状で内部は均一に造影される

dural tail signが高頻度で認められる

小さいうちは無症状で検診で偶発的に発見される事も多い

結構メジャーな疾患やけど、実は15分類されてたなんて脳外科医以外では知らなかった人は多いんちゃうんかな?dural tail signは覚えときや。よく見る所見なのと、髄膜腫にとっては基本的な画像所見やで。これを知ってると知ってへんのでは、大きな差があるからな。

まぁ基本的に髄膜腫はそんなに診断に迷う事もあらへんかと思うわ。

今日のレクチャー熱もそろそろ冷めてきたから、終わりにするわ。

ほな、精進しいやー!