悪性腫瘍3

【臨床症状】50代 左声帯不全麻痺精査

【問題】画像所見と診断名は?

MR_20240720155754_Image024
 
➡ MRI造影画像
MR_20240720155858_Image024
 

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    • 咽頭後壁~梨状陥凹に3*2cm程度のT1WIで低信号、STIR画像で高信号を認める病変あり
    • 同部位は造影にて濃染効果も認める
    • AJCC・UICC第8版の分類によると画像上はT2(4cm以下、または2亜部位以上)だが、臨床症状より左声帯不全麻痺(声帯固定)があるためT3と考えられる
    • 頚部食道、甲状軟骨、輪状軟骨等への浸潤は認めない
    • 両側顎下リンパ節、右オトガイ下リンパ節、両側上内深径リンパ節に軽度の腫大あり
    • 他、左甲状腺にT1WIで低信号、脂肪抑制で高信号域を認めるが、造影効果はなく腺腫様甲状腺腫が疑われる
    ※ 左から脂肪抑制冠状断、T2WI、T1WI、脂肪抑制横断像
    ※ 左から拡散強調、ADC、造影画像

    【下咽頭癌】

    ・下咽頭とは舌骨上縁から輪状軟骨下縁までの部位を指す

    ・梨状陥凹(梨状窩)、咽頭後壁、輪状後部の3亜部位に分けられる

    ・上記部位における下咽頭癌は治療戦略や進展様式が異なってくるために、発生部位の診断は重要

    ・上記3亜部位の中で梨状陥凹癌は最も多く、66~75%とも言われている

    ・早期の梨状陥凹癌の場合は放射線治療も選択肢になる

    ・梨状陥凹癌の60%以上は、初診時にT3、ないしT4の状態で発見され、リンパ節転移を伴っている場合が多い

    ・画像診断の主な役割は、深部方向への浸潤の有無と、梨状陥凹尖部や輪状後部などへの進展の確認

    ・これらの部位に造影効果を認める場合は進展(浸潤)疑いとするが、内視鏡画像との対比も重要

    輪状後部癌が原発のケースは比較的稀であり、多くが梨状陥凹癌や頚部食道癌、喉頭癌からの進展が多い

    ・輪状後部に病変が及ぶ場合は、基本的に機能温存した部分切除の適応から外れる

    後壁癌の治療方針決定において画像診断の役割は深さ方向への進展(浸潤)の有無がある

    参考書籍:頭頸部の画像診断 改定第2版

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