今日はMirizzi症候群について話していこかな。
名前だけは聞いた事があります!
もくじ
Mirizzi症候群(ミリッツィ症候群)とは
Mirizzi症候群の概要
Mirizzi症候群という名前だけは聞いた事があるかもしれんな。まずは概要から話していくで。
- 1948年にMirizziが報告したのが最初
- 胆嚢管やハルトマン窩(嚢)hartmann pouchに胆石が嵌頓し、総肝管を管外性に圧迫する事で閉塞性黄疸を来している状態
- 臨床症状は急性胆嚢炎と一致する事が多い
- 胆嚢と総胆管に瘻孔を形成する場合がある
- 胆石がある人の0.1%、胆嚢摘出術後に~3%に見られ、男女比に差は無いが高齢者に多い傾向がある
- 胆嚢癌や胆管癌との鑑別が問題になる事もある
だいたいこんな感じや。頻度としてはあまり多い方では無いから、見た事も無い人も多いかもしれんな。ただ閉塞性黄疸や胆嚢炎の診断の時に知っておくべき知識の1つやで。
胆嚢の解剖
次に胆嚢の解剖や。ハルトマン嚢がどこにあるかが分かってへんと、イメージもつかへんやろからな。
胆嚢の具体的な解剖と合わせて下記で確認しておいてな。
Mirizzi症候群の分類
Mirizzi症候群にはいくつかの分類方法があるで。代表的なものでCsendes分類とMcSherry分類があるで。
Csendes分類
- Mirizzi症候群をⅠ型からⅣ型までに分類
- Ⅰ型は総肝管の外からの圧排によって閉塞を来している状態(~10%)
- Ⅱ型は胆嚢と胆管に瘻孔を形成し、瘻孔が胆管全周の1/3以内の状態(~40%)
- Ⅲ型は瘻孔が胆管全周の2/3に達する状態(~40%)
- IV型は瘻孔が全周に渡り、胆管が破壊されている状態(10%以下)
McSherry分類
- Ⅰ型とⅡ型に分類
- Ⅰ型はCsendes分類のⅠ型に相当
- Ⅱ型はCsendes分類のⅡ~Ⅳ型が該当
どちらかと言うと、McSherry分類の方が使われてるイメージやけど、専門医以外はここまで知っておく必要はあらへんかもしれん。こういった分類があるというのを知っておくだけでもいいかもしれんな。
画像所見
Mirizzi症候群の画像所見
次に画像所見について話してくで。だいたい次のような点を見れば大丈夫や。これはCTでもMRIでも同じやで。
- 胆嚢管内の結石の有無
- 胆石に伴う総胆管の拡張
- 急性胆嚢炎(胆嚢壁の肥厚、周囲脂肪組織の濃度上昇)も伴う事が多い
総肝管が閉塞して拡張を認めた時に、その原因が何なのかを見るのが重要やな。ハルトマン嚢にある結石等で管外性の圧迫が原因ならMirizzi症候群、その他の腫瘍性病変なら胆管癌なんかが鑑別にあがるで。
実際の症例
50代 男性 AFP:2640 γGTP:2750 肝機能精査
実際の症例や。胆石による圧排を認めると思う。
鑑別診断のポイント
胆管癌
鑑別で問題になるのが胆管癌やな。これはMRCPなどで閉塞を認めたら、その原因が何かを丹念に見ていく事が重要や。胆石があれば本症と言う事が出来るで。
ただ実際は難しい事もしばしばや。
他に関連する疾患は次のようなもんがあるで。合わせて確認しておいてや。
まとめ
今日はMirizzi症候群について話したで。ポイントは2つや。
総肝管の閉塞や拡張を認めた時は原因が胆石かどうかを確認する
急性胆嚢炎の症状を伴う事も多い
まぁこんな所やな。頻度としては、あまり見かける方やあらへん。ただ鑑別に挙げる必要はあるで。
専門医はこういった症例、全て覚えてるんですか?
全部は無理や。必要に応じて教科書を参考にしてる場合がほとんどやで。
そういった意味でも、過去に見た事があるかどうかが重要なんや。過去に見た事があれば、そこで引っかけられるからな。
せやから地道な症例経験が1番の近道って訳やな。こればっかりは努力したもん勝ちや。
技師はんも努力次第で読影が出来るようになるで!
てな訳で、精進しいやー!