悪性腫瘍22

【臨床症状】70代 HCCでS8切除後 USで肝腫瘤再発疑い

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240722101218_Image001
 

    ▶答えはこちら
    • S8に早期相で濃染され、wash outを認める3cm程度の腫瘤影あり
    • 造影パターンから肝細胞癌が最も疑われる
    • 腹水やリンパ節腫大は認めない
    ※ 単純、早期相、門脈相の冠状断は非提示
    • また左尿管に軽度の拡張と壁肥厚があり
    • 造影効果は認めないが、尿管癌の否定が必要な所見
    • その他の所見として、S8亜区域切除後、左葉、尾状葉の腫大、右葉の萎縮を認め肝硬変疑い
    • 両腎嚢胞、副脾、食道静脈瘤疑い、上行結腸憩室

    【肝細胞癌】

    ・肝癌取扱い規約(第5版)では、肝細胞癌は異型度の低い順から、軽度異形結節、高度異形結節、早期肝細胞癌、肝細胞癌(高、中、低分化)と分類されている

    ・low grade DN(dysplastic foci)、high grade DN、early HCC、HCCとも呼ばれる事がある

    ・これらは癌化の過程によって分類されている

    ・肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)は肝動脈支配のhyper vascularな腫瘍で、悪性度が高くなると次第に門脈血流が減少する事が知られており、中、低分化型癌では完全に欠損する

    ・門脈血流が低下し始める時期は、high grade DNのあたり

    ・組織学的には腫瘍内部に正常な動脈、門脈を含む門脈域が残存し、血行動態が肝動脈、門脈が同程度、あるいは門脈優位の灌流を示す肝細胞癌が知られていて、前者を通常型肝細胞癌や古典的肝細胞癌と呼び、後者を早期肝細胞癌と呼ぶ

    ・これらの血行動態から、早期肝細胞癌の画像診断では門脈相、または平衡相で造影低下域として描出される

    ・つまり悪性度が高くなるにつれて腫瘍のwash out効果が高くなる

    ・古典的肝細胞癌(結節型))では、腫瘍内のモザイク状構造と造影後期相でのリング状の造影効果が特徴的な所見

    ・肉眼的には、結節型、塊状型、びまん型に分類される(Eggel分類)

    ・肝細胞癌の脂肪化は3cm以下では半数に認められ、3cm以上では部分的な脂肪化を認める事もある(高分化型の場合)

    ・脈管浸潤(門脈浸潤、肝静脈浸潤)を認める場合は、悪性度が高い事が多い

    ・ウィルス性慢性肝炎や肝硬変がリスクファクター

    ・治療法は外科的治療の他に、TAE:肝動脈塞栓術 transcatheter arterial embolizationや、TACE:肝動脈化学塞栓療法 transcatheter arterial chemoembolization、RFA:ラジオ波焼灼療法 radiofrequency ablationなどがある

    ・これらは肝細胞癌の進行程度や転移の有無によって選択される

    参考書籍:肝胆膵の画像診断 -CT・MRIを中心にー

    PickUp

    1

    もくじ1 日本とアメリカの放射線科医数2 日本と世界の検査機器保持数3 読影医不足問題4 放射線技師 ...

    2

    もくじ1 基本的な読影の流れ2 頭部読影の流れ3 胸部読影の流れ4 腹部読影の流れ5 自分なりの読影 ...

    3

    精神と時と読影の部屋 ここに迷い込んだからには、読影が出来るようになってから帰ってもらうで! まずは ...