変形性股関節症(oarthritis og the hip)

痛たた。股関節痛っ。

何かあったんですか?

ちょっと久しぶりに運動したら痛めてもうてな。もうオッサンやし、折れてたらアカンと思うてレントゲン撮ってもろうたんやけど、全くのノーマルやねん。多分筋肉痛やな。しかも運動から5日後に来てるし。もう若くないんやと実感してもうてるところや。

てか、5日後に筋肉痛が来るって流石に遅ない?ワシの体、だいぶ老いてるんちゃうの?

丁度ええわ、今日は変形性股関節症についてレクチャーしてこか。

変形性股関節症(oarthritis of the hip)とは

変形性股関節症の概要

さて、今日は変形性股関節症についてやで。まず変形性股関節症は関節軟骨の変性から退行性変化を認める状態の事やで。

加齢なんかが原因の場合を1次性、先天性疾患や発育障害などが原因の場合を2次性と呼んでて、2次性が80%を占めると言われとる。ちなみに2次性の内容は先天性疾患は先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全なんかやで。

国内に500万人程度おるとも言われてんねん。もちろん症状の大小や潜在的な患者さんも含めての数字やけどな。男性よりも女性の方が多いという傾向もあるで。これは骨粗鬆症も関係してるかもしれんな。

原因内容
変形性股関節症先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全の後遺症などの2次性が80%程度
他は原因不明や加齢などの1次性
立ち上がりや歩き初めの股関節の痛み
女性に多い
2次性の原因はオムツの改良によって減ってきている
前期、初期、進行期、末期がある

股関節の解剖

次に股関節の解剖や。この辺りは基本的な事やし、学生時代にもやったやろ。そもそもこのへんの解剖を知ってへんとスタートにすら立ってへんみたいなもんやからな。忘れてる人がおったらこれを機に思い出しておくんやで。

骨盤骨解剖

先天性疾患

先天性疾患について簡単に説明しておくと、大きく2つあって先天性股関節脱臼症と臼蓋形成不全があんねん。さらに先天性股関節脱臼は子宮内での異常姿勢や臼蓋形成不全なのどの遺伝的要素によるものと、抱っこの仕方などの外的要因によるもがあるわ。比較的多いの外部要因によるもので生後3ヶ月くらいまでに発症するパターンが多いで。

臼蓋形成不全は股関節側の臼蓋が不完全な発育の状態の事を指すねん。つまり、大腿骨骨頭を臼蓋が上手く覆えてない状態って事や。

他の先天性疾患は、大腿骨骨頭壊死やペルテス病、骨端異形成なんかがあるんやけどほとんどが先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全やで。

男女別の発症やと女性に多いで。一説にはオムツの形が原因やという話もあったんやけど、最近はオムツの形が改良されてきたせいか減ってきてるって話や。

原因と臨床症状

原因は概要の欄で話した通り、1次性のものと2次性のものがあるで。

臨床症状は股関節の痛みと機能障害や。立ち上がりや歩き初めに股関節に痛みが出てくるで。

前期、初期、進行期、末期と4段階あって、画像上でのイメージは骨硬化は初期、嚢胞形成は進行期くらいになるで。

画像所見

変形性股関節症の画像所見

次に画像所見についてやな。単純写真上でやと、関節裂隙の狭小化や軟骨下骨硬化像(subchondral sclerosis)、軟骨下嚢胞(subchondral cyst)、骨棘形成などが確認されるで。大腿骨頸部内側の骨皮質肥厚(buttressing)もあるで。

 

種類

画像所見

変形性股関節症

単純Xp

関節裂隙の狭小化や軟骨下骨硬化像(subchondral sclerosis)、軟骨下嚢胞(subchondral cyst)、骨棘形成、大腿骨頸部内側の骨皮質肥厚(buttressing)など

MRI

硬化像はT1強調、T2強調共に低信号、嚢胞がある場合はT2強調で高信号になる

実際の症例

実際の画像を見ていこか。単純写真やと関節裂隙の狭小化と軟骨下骨硬化像を認めるで。

単純写真-変形性股関節症

ちなみにMRI画像やと単純写真での骨硬化像の部位がT1強調、T2強調ともに低信号に写る事が多いで。以下は別患者の進行期の例や。T2強調で骨嚢胞があるのが分かると思うんやけど、これは高信号になってるな。

単純写真-変形性股関節症
T2強調画像
単純写真-変形性股関節症
T1強調画像

鑑別診断のポイント

関節リウマチ

鑑別診断のポイントやな。これは関節リウマチと大腿骨頭壊死があるで。これらの違いやけど、まず関節リウマチは関節裂隙の狭小化は全体に均一に起きるのに対して、股関節変形症は狭小化が上方か内側に偏る事が多い点や。他には造影するとリウマチやと骨膜肥厚が強く造影されるのに対して、変形性関節症は造影効果が相対的に弱い点もあるな。

大腿骨頭壊死

他には大腿骨頭壊死との鑑別やけど、これらは合併する事もあるんやけど、骨頭壊死やと骨頭側の変化が強くて関節裂隙の狭小化が少ない事が多いと言われてるで。

 

鑑別疾患

画像所見

変形性股関節症

関節リウマチ

関節裂隙の狭小化が全体(リウマチ)か上方、内側(変形症)か

骨膜肥厚の造影効果が高いのがリウマチ

大腿骨頭壊死

骨頭側の変化が強くて関節裂隙の狭小化が少ないのが骨頭壊死

まとめ

今日は変形性股関節症についてレクチャーしたで。ポイントは2つや。

先天性(2次性)の原因によるものがほとんどで、その中でも外的要因(抱っこ)が原因のものは改善されてきている。

単純XpやMRIでの画像所見を覚えておく

ちなみに画像所見で前期、初期、進行期、末期の目安が出来るで。

私も最近、股関節が痛いのよね。変形してるのかしら。

太りすぎや。おっと口が滑ったで。

ほな、精進しいやー!