パーキンソン病(Parkinson disease:PD)

おんどれやぁ!道、空けんかい!! ワシが通るんやぞ? 頭、高いんちゃうんか? いてまうで自分!

・・・どうしたんですか?先生。

じゃかしぃわ!北野武監督のアウトレ〇ジを見たに決まってるやろが!
ワシの任侠道を邪魔するヤツは、いてまうで!

パーキンソン病(Parkinson disease:PD)とは

パーキンソニズムについて

さて、ワシもヒマやあらへん。さっそく始めていくで!貴様の男気でかかってこいや!

パーキンソニズムについて

今日はパーキンソン病についてやで!

しかしや! その前にまずはパーキンソニズムについて話しておかなアカン。

パーキンソニズムってのは、安静時振戦、筋固縮、寡動や無動(動作緩慢)、姿勢保持反射障害の4つのうち1つ、または複数の症状を認める状態の事を言うんや

これらの症状の原因は色々あって、脳変性疾患や損傷によるものや、薬剤性によるもの、脳血管性によるものなどが代表的なものや。

ちなみに原因別に病名がついてて、主なものは次のような疾患やで。

このくくりで言うと、パーキンソン病はパーキンソニズム症状を呈する疾患の中の1つって事やな。

  1. 進行性核上性麻痺(PSP)
  2. 多系統萎縮症(MSA)
  3. 本態性振戦
  4. 正常圧水頭症
  5. 血管性
  6. パーキンソン病
パーキンソニズム症状

パーキンソン病の概要

パーキンソン病の概要

そしてここからが、今日のメイン、パーキンソン病についてや。

パーキンソン病は約20万人が罹患してると言われてる神経変性疾患や。

進行性の疾患ではあるんやけど、振戦だけがメインの症状やと進行スピードは緩慢で生命予後はそんなに悪くあらへん。

一説には、一般の平均余命よりも数年短い程度やとも言われとる。

ただ発症から10年以上経過すると、臥床(寝たきり)になる例も出てきて、その場合は誤嚥性肺炎などの別の原因によって予後不良になるケースが多くなるで。

基本的に根治療法は無くて、投薬などの対処療法がメインや。

脳深部刺激法(DBS)と言って、外部デバイスを使って神経核の細胞活動を抑制する方法もあったりはすんねんけど、運動機能は改善しても意欲低下までは防げへんねん。

なんで意欲低下ってのは、次で説明するで。

パーキンソン病に関係があるドーパミン

パーキンソン病は、ドーパミンとメチャメチャ関係があんねん。

ドーパミンは、アドレナリンやノルアドレナリンの前駆体で、別名、報酬系ホルモンとも言われるほど快感に関係した神経伝達物質や。

ちなみに、ギャンブル依存症は、このドーパミンによる報酬(快感)を得るためにドツボにハマっていく状態の事やで。

快感の他には、意欲の有無、運動機能調節なんかに関係してる。

せやから、ドーパミンが不足すると物事への関心が薄くなったり、動きが鈍くなったり表情が乏しくなったりするんや。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の主な原因は、黒質緻密部や青斑核のドーパミン神経細胞の変性脱落によるドーパミン不足やと言われとる。

何らかの原因で黒質緻密部や青斑核のドーパミン神経細胞が変性脱落して、そこにαシヌクレイン蛋白が蓄積、Lewy小体が出現する事で、脳の神経伝達を阻害してしまうんや。

ただなぜこの神経細胞が変性脱落するのかは明らかになってへん。

これがパーキンソン病における、意欲低下を始めとするパーキソニズム症状の原因や。

近年やと、認知症状、嗅覚異常、レム睡眠行動異常などが出る事も明らかになってきとるな。

パーキンソン病の原因
パーキンソン病とレビー小体型認知症の違い

っていうか、この説明ってどこかで聞いた事あらへん?

そうや、レビー小体型認知症(DLB)や。

実はパーキンソン病(PD)とDLBはメッチャ似てんねん。似てるっていうか簡単に言うとレビー小体がどこに出来るかの違いやねん。

大脳皮質に出来ればDLB、黒質から脳幹に出来ればPDや。

ちなみに、レビー正体は異常なタンパク質が脳神経細胞に蓄積した状態の事を指すで。

この異常タンパク質はCTやMRIなどの画像では描出できへんくて、パーキンソン病はMRI画像上ほとんど異常を認めへんねん。

じゃあなんでMRI検査をするんかやけど、PD以外のパーキンソニズム症状を呈する病気、つまりPSPやMSA等との鑑別のためなんや。

実はパーキソニズムを認める疾患は沢山あるんやで。

突発性正常圧水頭症(iNPH)や遺伝性疾患、例えば脊髄小脳変性症(SCD)、ハンチントン病なんかや。

その辺りは鑑別診断のポイントの所で話すとして、パーキンソン病とその他の主な関連疾患の概要をまとめておいたから確認しといてや。

【パーキンソニズム】

  • 安静時振戦、寡動や無動(動作緩慢)、筋固縮、姿勢保持反射障害のうちどれか(複数)の症状を呈する状態

【主な種類】

  • パーキンソン病(PD):20万人が罹患する難病指定の神経変性疾患で、黒質緻密部や青斑核の変性脱落が原因
  • 進行性核上性麻痺(PSP):中年期以降に発症し、淡蒼球や視床下核、赤核、黒質、訪韓被蓋の神経細胞の脱落が原因
  • 多系統機能萎縮症(MSA):自律神経核や大脳皮質運動野などの神経細胞の変性、異常タンパクの封入体の形成が原因と言われている
  • 大脳基底核変性症(CBD):タウオパチーに分類される変性疾患
  • 本態性(薬剤性)振戦:薬剤使用などで症状が出る事があるが、原因の薬剤使用を中止すれば症状も軽快する

パーキンソン病の重症度分類

またパーキンソン病には重症度分類があんねん。程度に応じてⅠ~Ⅴまで分類されてるで。

Hoehn-Yahrの重症度分類
  1. 一側性パーキンソニズム
  2. 両側性パーキンソニズム
  3. 中等度パーキンソニズム(姿勢反射障害が出てくる)
  4. 高度障害を認め、日常生活に部分的に介助が必要だが歩行は介助無しでも可能
  5. 要介助でベッド、または車椅子が必要

パーキンソン病の診断方法

上で話した通り、パーキンソン病は画像に特異的な所見があらへん。

せやから画像で判断するんやなくて、最終的な診断は実際に治療薬(L-DOPA製剤などのレボドパ薬)を投与して効果があるかどうかを確認すんねん。

このレボドパ製剤の反応が良ければパーキンソン病と診断されるで。

画像診断は、他の原因の除外診断みたいなイメージやな。

パーキンソン病の治療法

治療法は基本的に投薬治療や。

L-DOPAやドパミンアゴニストなんかの投薬によってドーパミンを補うねん。

投薬量によってオン・オフ症状が出たり、ジスキネジア(手足が勝手に動いてしまう状態)が出たりするから注意が必要やで。

他には外科的に治療する事もあるらしいな。

ただどれも根本的な治療やあらへん。

画像所見

パーキンソン病の画像所見

さて、次のパーキンソン病の画像所見について話していくで。

基本的に次の事を覚えておくんや。

  • パーキンソン病においては、基本的にCTやMRIにおいて特異的な画像所見は無い
  • これらの画像診断を行う意義は、パーキンソン病と他のパーキンソン症候群疾患との鑑別のため

これはメチャ重要な事やで。

DAT-SCAN

そういえばDLBではDAT-SCANが有効って言ってたと思うんですけど、DLBで有効ならPDでも有効じゃないんですか?

その通りや。今日は冴えとるな。男気MAXやな。

DAT-SCAN(123I-FP-CIT)は黒質線条体ドパミン神経終末のドーパミントランスポーターをリガンドにしてんねん。

言い換えると、ドーパミントランスポーターの量を見てんねん。

これが多ければ、その分ドーパミンも伝達するし、不足しれてばパーキソニズム症状が出てくんねん。

そしてDAT-SCANの検査で鑑別に有効なんが、本体制振戦、薬剤性振戦や。

これらは黒質線条体の変性脱落はしてへん。

せやからDAT-SCANで検査すると、特に異常は認めへん。せやけど症状としてはパーキンソニズムがある。

つまり、神経細胞の変性脱落以外で症状が起きてるって事になるんや。

ちなみに、その他の疾患(PSP、MSA、血管性、正常圧水頭症)はMRIを撮影する事で鑑別が可能な事が多いで。

実際の症例

70代 男性 パーキンソン病 Yahr2

実際の画像やで。70代男性でYahrⅡの症例や。特にMRIでは異常を認めへんで。

頭部MRI-パーキンソン病
左からT2WI、T1WI、FLAIR

この異常を認めへんってのが重要やねん。

実際には画像所見と臨床症状、投薬(レボドパ製剤)の効果を総合的に加味してパーキンソン病と診断されんねん。


60代 女性 パーキンソン病

次の症例もパーキンソン病と診断されてる例や。特に画像上では異常は指摘できへんな。

PSPに特徴的な、中脳被蓋の萎縮もあらへん。

パーキンソン病のMRI画像
上段左からDWI、T2WI、T1WI、下段左からFLAIR、T1-sag、PD-COR

60代 女性 パーキンソン病 右側優位の振戦 Yahr2

こちらもYahr2程度のパーキンソン病の症例や。

血管も含めて特に異常所見は見当たらへんで。

パーキンソン病のMRI画像
上段左からDWI、T2WI、FLAIR、下段左からT1WI、T1-sag、MRA

鑑別診断のポイント

進行性核上麻痺(PSP)と多系統萎縮症(MSA)

鑑別において重要なのがPSP、MSAとの鑑別や。各々の詳細は個別レクチャーで確認してもらうとして、おおまかな概要は次の通りや。

  • パーキンソン病 → MRI上で特異的な所見はなし
  • 進行性核上性麻痺 → 中脳被蓋の萎縮と第3脳室の拡大
  • 多系統萎縮症 → 基底核外側にスリット状、橋底部に十字状のT2WIでの高信号
  • 大脳皮質基底核変性症 → 左右対称性の前頭後頭葉~頭頂葉の萎縮、中脳被蓋の萎縮
  • 本態性(薬剤性)振戦 → DAT-SCANで被殻(基底核)の集積低下の有無

まずPSPやけど、中脳被蓋の萎縮と第3脳室の拡大や。

中脳被蓋の萎縮はその見た目から別名humming bird signとも呼ばれとる。これは横断像だけやと診断が難しい事が多いから矢状断が必要やで。

本態性振戦は上で話した通り、DAT-SCANで神経の変性脱落があるかどうかで鑑別が可能やで。

DAT-SCANの画像を見た事が無い技師はんは1度見ておくとええで。DAT-SCANで検索かけると出てくるで。

まとめ

今日はパーキンソン病についてレクチャーしたで。ポイントは3つや。

パーキンソン病はパーキンソニズムを呈する疾患の中の1つで、黒質緻密部の神経細胞の変性脱落が原因

パーキンソン病はCTやMRIで特徴的な画像所見は無く、画像診断の目的は他の原因疾患除外のため

鑑別疾患にはMSAやPSPなどがある

こんな感じやな。

何度も言うけど、パーキンソン病は特徴的な画像所見があらへんのや。

パーキンソン病の診断は治療薬(L-ドパ)が効くかどうかで確定するんや。

色んな条件を模索して、臨床所見や画像診断と並行して投薬治療を開始してみて、効果ありならPDと診断するみたいな流れやな。

さて、そろそろワシは本家に行かなアカンから失礼するで。上納金を持っていかな。

・・・

ほな、精進しいやー!

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