悪性腫瘍6

【臨床症状】70代 3年前に左下葉肺癌に対して切除術 10年前に前立腺癌

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240720161412_Image006
 

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    • 左肺尖部にすりガラス陰影(pure Ground-Glass Opacity:GGN)を認める
    • 大きさは約1cm
    • 病歴からは肺癌や前立腺癌からの転移も否定できないが、まずは原発性肺癌(高分化型)を疑う
    • リンパ節腫大や転移を疑うような所見は無し
    • その後、FDG-PETが実施され胴部に積極的に集積を疑う所見は無かった
    • 他、左下葉切除後い伴う瘢痕あり
    • その後、切除されAISの診断となった
    左側がCT画像、右側がPET-CT(Fusion)画像(非提示)

    【異型腺腫様過形成/上皮内腺癌】

    ・WHO分類第4版では肺腺癌の前癌病変として次の2つがある

    1. 異型腺腫様過形成(atypical adenomatous hyperplasia:AHH)
    2. 上皮内腺癌(adenocarcinoma in situ:AIS)

    ・AHH→AIS→MIA(微小浸潤性腺癌)→IA(浸潤性腺癌)の順に進行する

    ・AAHは軽度から中等度の異型性を示すII型肺胞上皮細胞やClara細胞が肺胞壁に沿って増生(低い細胞密度)している状態

    ・AISは肺胞壁に沿って腫瘍細胞が比較的高い細胞密度で置換性(lepidicパターン)に増殖し、この時に間質や血管,胸膜への浸潤を認めない状態

    ・AHHとAISの画像所見は次の通り

    • pure GGNを示す事がほとんど
    • AHH:5mm以内のpure GGN
    • AIS:2cm以下のpure GGN(稀に3cmを超える事もある)
    • 肺癌取扱い規約第8版では、3cm以下のpure GGNはTis、3cm以上のpure GGNはT1aに分類される
    参考書籍:困ったときの胸部の画像診断

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