ちぃーっす!おい、若造はどこや!?早速レクチャー始めんで!
ここにいますよ。どうしたんですか?今日はやけにやる気マンマンですね。
実はな、出勤途中に小学生くらいの子にカッコイイお兄さんって言われてん。
分かるか?「イケメン」やで?「ブサイク」やあらへんのやで?
テンション爆上がりや!
もくじ
肺水腫(pulmonary edema)とは
肺水腫の概要
さて、今日は肺水腫や!
肺水腫は肺の血管外の水分量が増加した状態で、リンパ路排出よりも多くの水分量が間質に流出してしまっている状態やで!
なぬ? 分からん?
簡単に言うと、肺の中に水があふれ出してしまっている状態の事や。
通常は呼吸によって肺胞に酸素が運ばれて、そこで静脈と動脈を介して酸素を全身に運ぶ訳やけど、何らかの原因で肺胞内に液体が溜まって酸素が行かへん事で呼吸器不全を起こしてまう事があるんや。
分かりやすくイメージすると溺れてしまってる状態に近いかな。
- 血管内静水圧の上昇
- 肺血流の再分布
- 肺の間質に水分貯留(間質性肺水腫)
- 進行すると肺胞内にも水分貯留(肺胞性肺水腫)をし、胸水を認めるようになる
こんな流れやで。

ちなみに肺の解剖についてはこっちを参考にするとええで。
肺水腫には病理別で、主に静水圧性肺水腫(hydrostatic edema)と透過性亢進型肺水腫(increased permeability edema)と混合型の3パターンがあるで。
静水圧性肺水腫
静水圧性肺水腫は、心原性肺水腫とも呼ばれてるで。
急性心筋梗塞などが原因で左心室の機能が低下し、肺うっ血(血液が肺に過剰に貯留している)の状態の事や。
血液(液体)成分が間質に漏出すると間質性肺水腫に、その後、液体が肺胞にまで広がると肺胞性肺水腫になるで。
この間質性肺水腫と肺胞性肺水腫は混在する事も少なくないで。
透過性亢進型肺水腫
一方、透過性亢進型肺水腫は非心原性肺水腫と呼ばれとって、色んな原因による肺毛細血管の透過性行亢進で生じんねん。
つまり血管から液体が漏れ出てる状態の事やな。この時はあまり心臓は関係あらへん事が多いで。
原因としては、重度の肺炎、敗血症などや。主にARDSの急性期に見られるで。
次は原因について、みていくで!!!
肺水腫の原因
原因は上記で話した通りやで。
心不全などの心臓に関係するものが多いで。他には肺炎や敗血症、ARDSなんかも原因になったりするな。
臨床症状と治療法
臨床症状
臨床症状は呼吸困難で、進行するとチアノーゼが起きる事もあるで。まぁ、溺れてるみたいなもんと考えてもらえれば分かると思う。
治療法
治療法は心原性肺水腫と非心原性肺水腫で異なんねん。
利尿薬や酸素投与なんかをして水を体外に排出して、酸素を全身に行きわたらせるんや。
画像所見についていってみよか!!
画像所見
肺水腫の画像所見
次に画像所見についてやな。間質性肺水腫と肺胞性肺水腫の時で違うで。こんな感じや。
画像所見 | |
---|---|
間質性肺水腫 | Kerley-line、cuffing-sign、vanishing-tumor、心拡大(特に左心系) |
肺胞性肺水腫 | すりガラス陰影と浸潤影、butterfly-shadow |
間質性肺水腫の段階では、気管血管周囲腔の水分増加で、気管支壁の肥厚(cuffing-sign)を認めるで。
小葉間隔壁に水分が増加するとKerley-lineやVanishing-tumorとして確認できるで。
他には、胸水貯留、上下大静脈や肺血管の拡張、肺門部血管の不鮮明化などやな。
肺胞性肺水腫になると、すりガラス陰影が肺門周囲に広がる事(Butterfly-shadow)を認めるようになるで。
後は、非心原性肺水腫は心拡大を認めない事が多いで。

実際の症例
80代の女性で気管支壁の肥厚、胸水、心拡大、すりガラス陰影を認めるで。

70代女性で心嚢水、胸水、すりガラス陰影を認めるな。

鑑別診断のポイント
鑑別診断について
鑑別については急性の経過をとる両側性の浸潤影、すりガラス陰影を呈す疾患が対象やな。
感染性肺炎や急性好酸球性肺炎、薬剤製肺炎などがあるわ。
ARDSの時にも言うたけど、牽引性気管支拡張の有無が重要や。これがある場合はARDSが疑わしいで。
まとめ
今回のまとめや。ポイントは3つ。
心原性肺水腫と非心原性肺水腫がある
特徴的と言われる所見(Kerley lineやcuffing sign、vanishing-tumor、butterfly-shadow 心肥大 等)
CTでは気管支壁の拡張や胸水、すりガラス陰影を確認する
なんかがあったで。覚えとるか?
微妙なところがあったら該当箇所に戻って復習せーよ。
・・・さて、そろそろ終わりにしよかな。
なんかテンション戻ってません?
・・・テンション使い切ってもーたな。ある意味完全燃焼や。
・・・ほな、精進しいやー