懐っつかしいでー。ワシもこんな時があったな-。ノスタルジーや。これがエロいってやつかー。
エロじゃなくて、エモ。「エ・モ」。意味が違ってきますよ。
・・・わ、わざとやし。
もくじ
肺結核(pulmonary tuberculosis)とは
肺結核の概要
ええか、今のはワザとやからな。完璧にワザとやからな? 自分を試したってんで?
そこんとこ勘違いせんようにな。
・・・さて、今日は肺結核についてレクチャーしてくで。
結核は昔は国民病やったのは知ってるやろ?ピーク時には国民の半分が潜在的に感染してるとまで言われた病気やねん。
有名人やと沖田総司や高杉晋作、作曲家の滝廉太郎が結核が原因で亡くなってるで。
ちなみに高杉は当時の超大国イギリスにガチンコ挑んで有利な条件で決着させたし、沖田は新撰組の1番隊隊長や。そんな鬼のような彼らでも結核には勝てへんかってん。
そんな結核やけど、2016年時点でも疫学的には世界人口の30%程度が感染してて、年間1,000万人以上が罹患/発病、170万人が死亡しているらしいな。
日本においても年間2万人が発病しているんやけど、昔と比べて死亡率は1/100以下にまで減少してきてるんや。
ただ罹患率で見ると欧米と比較してまだ高い水準にあんねん。
今はだいたい10万人に対して12~13人くらいの水準や。新規患者の6割近くが70歳以上の高齢者なんやけど、最近は30歳以下の若者の感染も目立ってきてるというデータが出てきてるで。
ちなみに結核はHIV感染者の死亡原因の1位やで。2016年にはHIV感染者の死因の40%が結核だったらしいで。(「結核について ファクトシート」 厚生労働省検疫所FORTH)

結核は初感染を1次結核、一定時間経過後に発症する2次結核の2つがあんねん。
1次結核は結核菌に対する免疫が無いために発症して、2次結核は体内の免疫機能が低下した時に発症するんや。
肺結核症の分類は以下の4つがあるで。
- 1次結核症(初観戦結核)
- 2次結核症(既感染結核)
- 気管支結核
- 粟粒結核
1次/2次結核症
肺結核は感染して発病するまでに、リンパ行性、血行性、管内性といった形の転移の仕方があるで。
発病してからの経過は、滲出性反応、増殖性反応、空洞形成、硬化性反応の4段階や。
- 滲出性反応は、肺胞内に入った結核菌が、局所に充血や液性成分の滲出、炎症細胞の遊出、壊死などが起きる事。
- 増殖性反応は、宿主が獲得した特異的免疫によって結核結節と呼ばれる肉芽腫を形成、マクロファージが刺激を受けて類上皮細胞に転化して乾酪壊死部を取り込み、その外周にリンパ球の層が作られる。その後、格子繊維、膠原繊維が形成される状態。
- 空洞形成は、乾酪壊死が融解を起こし起動から排除される事で起きている状態。
- 硬化性反応は、肉芽腫による結核菌の封じ込めが起きる。内部には結核菌が存続しているため数十年後に再燃するケースもある。
宿主の免疫が弱まった時に結核が発症する事があるのが、硬化性反応のためやで。これを2次結核症と呼んでるわ。
気管・気管支結核
結核菌は肺胞内だけやなくて気管支で増殖するパターンもあるで。
結核菌が気管や中枢気管支の気道粘膜を侵して粘膜下で結核性潰瘍や肉芽を形成すんねん。特徴としては、
- 1次結核、2次結核いずれでも起こりうる
- 若年者で女性に多い
- 左主気管支に多い
- 排菌陽性率が高く感染力が高い
- 画像所見では気管支壁の全周性の肥厚、内腔の狭窄、リンパ節腫大などがあるが、画像診断だけで診断するのは難しい事が多い
こんな感じや。病変が気管支のみの場合やと、画像診断だけでは難しい場合があるで。
粟粒結核
粟粒結核は血行散布性結核で、病変は肺に存在してるんやけど、全身性散布から肺外結核として扱われとる。
早期蔓延型と晩期蔓延型に分けられてるわ。
- 早期は初発感染に引き続き発生して若年者に多い
- 晩期は陳旧性病変が再燃した状態で、免疫低下者に多いという特徴がある
結核の原因
結核菌に感染して、それが肺で増殖したのが肺結核や。感染経路としては飛沫感染が多いで。
実は結核菌は肺以外にも感染すんねん。部位で分類すると肺結核と肺外結核っていう形になるな。
肺外結核は結核性胸膜炎や腸結核、粟粒結核なんかがあるで。
大多数の人は感染しても結核菌が体内で増えずに未発病で終わるんやけど、10%程度の人は結核菌が増えて発病すんねん。糖尿病や人工透析、免疫抑制剤の使用、塵肺、HIV感染なんかが発病のリスクファクターらしいな。
体内の免疫が低下すると、発病するってイメージや。

臨床症状と治療法
臨床症状
臨床症状は全身倦怠感と食欲不振、微熱、咳なんかや。
2週間以上続く咳嗽は結核の可能性を除外する必要があるで。ここが普通の風邪と違うところやな。
治療法
治療法は抗菌薬の投与や。1943年にこの抗菌薬が開発されてから劇的に治癒率が上がってんねん。
結核菌が検出されたら、感受性を調べて有効な抗結核薬を3~4剤併用して治療すんねん。ただ潜在性結核感染症の場合は単剤治療でも言いとも言われてとる。これは発病前で菌量が少ないためや。
一方で、従来の治療薬に抵抗性を持つ耐性菌が出てきてるという話しも聞くな。
イソニアジド(INH)とリファンピシン(RFP)の両剤が効かなくなった結核菌は他の薬剤にも耐性を持っている事が多くて治療が難しいらしいで。
数は少なくなってきてるらしいけど、外科的に治療する事もあるっぽいで。
画像所見
肺結核の画像所見
次に結核の画像所見や。
活動性病変の好発部位は上葉(S1、S2、S1+2)と下葉(S6)と言われとる。ここに病変が見られたら結核を鑑別に上げる必要があるで。
CT上では小葉中心性の粒状影と分岐状影が見られるわ。俗に言うtree-in-bud appearanceやな。このtree-in-bud appearanceは、乾酪性物質が呼吸細気管支を埋める事で、分枝する木の枝とその先端に木の芽のような所見が見れる事や。
他には粒状影は境界明瞭なのが特徴や。空洞形成を伴う頻度も高いで。
経過の中で陳旧性結核になった場合は、線維性病変、気管支血管構造のゆがみ、肺気腫が多く見られるな。
粟粒結核は両肺野にびまん性の粒状影で、HRCTで見てみると、気道とは無関係のランダム分布で大きさは1~3mmくらいやで。
ARDSを合併する事もあると言われとる。
肺水腫も合併するとADRSとの鑑別が難しい場合があるわ。
- 肺結核
- 上肺野(S1、S2、S1+2)と下肺野(S6)に好発
- 小葉中心性の粒状影と分枝状影(tree-in-bud appearance)が特徴的
- 免疫が低下すると病変は広範囲になる
- 多発空洞を伴う事も多い
- 粟粒結核
- 両肺野にびまん性の粒状影
- 気道とは無関係のランダム分布
実際の症例
実際の画像や。
60代女性で血痰精査や。左肺にびまん性に微細粒状影を認めtree-in-bud appearanceが確認できるで。

70代女性や。
右下葉に気管支透亮像を含むコンソリデーションとtree-in-bud appearanceが確認出来ると思うわ。
一部空洞化も認めるな。この空洞化があると結核を疑うのを忘れたらアカンで。

別症例や。60代女性で検診での胸部異常陰影の精査や。
左肺上区S1+2bに空洞性病変が認められるで。

鑑別診断のポイント
肺癌との鑑別
鑑別診断やけど、tree-in bud appearanceを認めずに、小さな病変を上肺に認める場合は肺癌のとの鑑別が問題になる時があるな。
場所と空洞形成の有無を確認するんやで。
他の肺疾患については、このあたりと鑑別出来る様になるとええな。ただ画像診断だけでは難しい事も多いで。
まとめ
今回は肺結核をレクチャーしたで。ポイントは次の3つや。
境界明瞭な小葉中心性の小さな粒状影が上葉(S1、S2、S1+2)と下葉(S6)に好発する
tree-in bud appearanceを認める
上葉に空洞を有する浸潤影
これらがある時は肺結核を鑑別にあげんねんで。
さて、今回はワザと言い間違えた事から始まり、途中歴史もありでちょっと違ったテイストやったと思う。
こんなんもたまにはえーやろと思うてる。変化をつけんと飽きてまうからな。
わざと間違えたと・・・?
あ、あ、当たり前やがな。な、何言うてんねん。
今後も飽きへんように色々と工夫してみるし!
ほな、精進しいやー!