腎損傷(renal injury) 膵損傷(pancreatic injyry) 腸管損傷(bowel injury)

なぁ、このアプリで何が出来るん?

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いいつぶやきだとフォロワーといってお気に入りに登録してくれる人も出てきますよ。
っていうかX(旧twitter)くらい知ってるでしょ?

知ってるけども使った事が無かってん。そろそろワシも世界デビューしよかな思て、勇気を出して聞いてみたんよ。
ほら、日本だけに留めておくのもったいない逸材やん。

・・・

ほら、日本だけに留めておくの勿体ない逸材やん?

・・・

ワシ的にはビジュアルまで出してしまうと、あっという間にバズってまうから、最初は文字から攻めよ思うてんねん。
このカリスマ的な文章からどれだけ行けるかな思うてな。それでも秒で広まるとは思うねん。
でもこれは仕方がないねん。ほんまワシに関しては天は二物を与えすぎやで。
逆に辛いわー。

腎損傷(renal injury) 膵損傷(pancreatic injury) 腸管損傷(bowel injury)

腎損傷 膵損傷 腸管損傷の概要

テキストの天才だけやあらへん、トークも天才って所を見せたるわ。

ってな訳で、今日は腎損傷、膵損傷、腸管損傷や。これら3つも基本的に外傷が原因で発生するで。

腎損傷

まずは腎損傷からや。

腎損傷は脾損傷、肝損傷に次ぐ頻度で発生して、血尿を90%以上で認めるで。

主な原因は外傷や側腹部への暴行なんかや。腎は被膜、Gerota筋膜、後腹膜に覆われている関係で被膜外出血を起こしてもタンポナーデ効果で単独損傷の場合はショック症状までは至らない事が多いと言われとる。逆にショック症状がある時は他の部位も損傷してるか確認が必要って事やな。

ちなみに腎損傷の80%は軽度かつ自然治癒可能と言われとる。

損傷分類

次に損傷分類や。1度確認しておいてや。

腎損傷分類内容
Ⅰ型 被膜下損傷 subcapsular injurya. 被膜下血腫 subcapsular hematoma
b. 実質内血腫 intraparenchymal hematoma
腎被膜の連続性が保たれていて、血液の被 膜外への漏出がない損傷形態をいう。
被膜 下血腫(Ia)と実質内血腫(Ib)がある。
Ⅱ型 表在性損傷 superficial injury 腎皮質に留まると思われる損傷があり、腎 被膜の連続性が保たれていない場合(腎外 への出血を認める場合)をいう。
Ⅲ型 深在性損傷 deep injurya. 単純深在性損傷 simplede deep injury
b. 複雑深在性損傷 complex deep injury
損傷が腎実質の1/2以上の深さにおよぶ場 合をいう。
おおむね腎髄質に達する場合をいう。離断や粉砕があれば b とする。
腎損傷の分類
Appendix 合併損傷の表記
腎茎部血管損傷(PV)、血腫がGerota筋膜内に留まるもの(H1)、超えるもの(H2)
尿漏がGerota筋膜内に留まるもの(U1)、超えるもの(U2)
※日本外傷学会臓器損傷分類委員会:腎損傷分類 2008(日本外傷学会).日外傷会誌 2008;22:265.

膵損傷

次に膵損傷やけど、これは範囲が狭い外傷で起こるで。交通外傷のハンドル外傷や、暴行で腹部にダメージを受けたとかやな。

膵損傷は外傷のエネルギーと椎体に挟まれて損傷する事が多いねん。ただ、これは診断が難しいところもあって、オペの最中に診断される事も少なくないと言われとる。

ちなみに、受傷部位は体部が2/3、頭部と尾部に1/3の割合や。死亡にまで至る場合は主膵管損傷がある場合がほとんどやから早期手術の対象になるって事も覚えておいて損はないで。

損傷分類

膵損傷分類内容
Ⅰ型 被膜下損傷 subcapsular injury 膵被膜の連続性が保たれて、膵液の腹腔内 漏出がない損傷形態である。
この損傷形態 の中には実質の挫滅(contusion)や実 質内血腫を含む。
Ⅱ型 表在性損傷 superficial injury 被膜が損傷され実質損傷の深さは実質径 の1/2未満とする。
そして主膵管の損傷を 伴わないものをいう。
Ⅲ型 深在性損傷 deep injurya. 単純深在性損傷 simplede deep injury
b. 複雑深在性損傷 complex deep injury
実質径の1/2以上の実質損傷、または主膵 管の損傷を伴うものをいう。
a は実質径の1/2以上の損傷があるが主 膵管損傷を伴わないものをいう。
b は実質 径損傷の程度に関わらず主膵管損傷を生じたものをいう。
 Appendix 膵内胆管を損傷している時はB、Vater乳頭部を損傷している時はVPと表記する。
部位は膵頭部を(Ph)、体部を(Pb)。尾部を(Pt)で表す。
※日本外傷学会臓器損傷分類委員会:膵損傷分類 2008(日本外傷学会).日外傷会誌 2008;22:264.

腸管損傷

最後に腸管損傷やな。

これも交通外傷が多くてシートベルトとも関係があると言われとる。主な原因は直接的な外力や内腔圧の急激な上昇なんかやな。

損傷部位は十二指腸のsecond-third portion、Treits靱帯近傍の空腸起始部、回盲弁近傍の回腸遠位部が多いわ。十二指腸、空腸、回腸に多くて、大腸は稀と言われとる。

あとは腸管損傷に合わせて起きやすいのが腸間膜損傷や。活動性の出血や仮性瘤、うっ血、虚血を認めた場合は手術の対象になるで。

損傷分類

消化管損傷分類内容
Ⅰ型 非全層性損傷 non-transmural injurya. 漿膜、漿膜筋層裂傷 serosal or seromuscular tear
b. 壁内血腫 intramural hematoma
非全層性損傷で損傷部の消化管の連続性が保たれ、消化管内容の管外への漏出が見られ ない場合をいう。
Ⅱ型 全層性損傷 trransmural injurya. 穿孔 perforation
b. 離断 transection
全層性損傷であるが消化管の一部でも連続 していたら a(穿孔)と表現し、大きさは問わない。
b は消化管の全周にわたり、完全に離断した場合をいう。
腸管損傷種類
 日本外傷学会臓器損傷分類委員会:消化管損傷分類 2008(日本外傷学会).日外傷会誌 2008;22:
266
消化管損傷分類内容
Ⅰ型 非血管損傷 non-vascular injury 全層性損傷のみとし、開腹所見で非全層性 損傷があっても記載しない。
非全層性損傷 で血管損傷もない場合は本分類の対象外とする。
Ⅱ型 血管損傷 vascular injurya. 間膜内血腫 intramesenteric hematoma
b. 遊離腹腔内出血 extramesenteric bleeding
全層性損傷と非全層性損傷とは問わず血 管損傷があればⅡ型とする。
全層性損傷があり、その損傷部と血管損傷が一致すれば Ⅱ型とし、一致しなければⅡ型+Ⅰ型とする。
腸管損傷イメージ図
Appendix 穿孔内への小腸陥入によるイレウスを合併したらILと付記する。血管損傷が原因で腸管壊死を来したらNEと付記する。
損傷部位が大網では(G)、小網では(L)、小腸間膜では(M)、結腸間膜は上行(A)、横行(T)、下行(D)、S状(S)で表記する。
※日本外傷学会臓器損傷分類委員会:間膜・小網・大網損傷分類 2008(日本外傷学会).日外傷会誌 
2008;22:267.

画像所見

腎損傷 膵損傷 腸管損傷の画像所見

次に画像所見についてやな。

腎損傷については脾、肝と同様に多相で撮影するのが望ましいで。単純、動脈相、実質相、排泄相の4相で、動脈相で血管損傷やextravasationを、実質相で挫傷、被膜損傷、梗塞を造影欠損の有無で診断、排泄相で尿瘤の有無が診断出来るで。あとは後腹膜血腫の有無の確認も必要やな。

膵損傷は単純CTで膵実質内の血腫、膵実質の腫大を認めるで。動脈相において損傷部や断裂部が欠損像として認められる。

必要に応じてthin sliceやMPRで確認や。膵頭部の主膵管損傷は他の部位と比較して2倍の死亡率やと言われとる。

最後に消化管損傷やけど、損傷に伴う穿孔やフリーエアーの確認やな。造影で腸管壁の造影不領域を認める場合は腸管壊死の可能性ありや。

後は腸間膜動静脈の途絶やビーズサインのような脈管経の不整像が見られた場合は腸間膜損傷の可能性が高いと言われているで。

実際の症例

実際の画像や。腎損傷の例や。分類ではⅢ型になるな。

腹部CT画像-腎損傷
Case courtesy of Henry Knipe, Radiopaedia.org

次は膵損傷の画像や。

腹部CT画像-膵損傷
Case courtesy of James Harvey, Radiopaedia.org, rID: 80366

こっちは腸管損傷(小腸)の例や。小腸壁の肥厚と造影効果を認めるで。

腹部CT画像-腸管損傷
Case courtesy of Andrew Dixon, Radiopaedia.org

ハンドル外傷による小腸損傷の例や。フリーエアー、腹腔内出血なんかを認めるな。

腹部CT画像-フリーエアー
Case courtesy of Ian Bickle, Radiopaedia.org

鑑別診断のポイント

鑑別診断について

さて鑑別診断のポイントやけど、脾、肝損傷と同様で損傷の診断自体はそう難しくないやろ。ただ損傷形態の把握は必要やから、よく画像を見るようにな。

膵損傷は、外傷後に生じた急性膵炎は外傷性膵炎とする一方で外傷そのものの損傷は膵損傷とされてるんや。ただ厳密な区別は困難やで。

腸管損傷のフリーエアーは診断的特異度は高いんやけど、気胸や膀胱破裂なのでも生じるから注意やで。

まとめ

今日は腎、膵、腸管損傷についてレクチャーしたで。ポイントは1つや。

多相での造影検査が望ましい

脾、肝損傷と同様で、血管損傷と実質損傷の確認や。損傷形態の把握が緊急度の判定に重要やで。それには多相撮影が有効やねん。時に腎と膵ではな。覚えときや。

と、まぁ今日はこんなとこにしとこかな。これ以上詰め込んでも覚えきれへんやろ。

お腹いっぱいです。

ちなみになんやけど、ワシは何事にも好奇心は重要やと思うてる。好奇心があらへんと変化出来ひんからな。

スティーブジョブズはんも言ってたで。

新しいものを見た時に年配の人達は「これは何?」と尋ねる。でも少年達は「これで何ができるの?」と尋ねる。

って。同じような質問やけど、ニュアンスは全然違うやん。「これは何?」は肯定、否定の両方の意味合いでも取れるやん。言うて警戒心MAXやん。

でも「何ができるの?」はワクワクしかあらへんやん。技術そのものじゃなく、その先を見てんねん。イメージすると目をキラキラさせた少年が聞いてる感じやろ?実際、小さい子にiPad渡してみぃや。

1時間もすると勝手に使い方マスターしてゲームして遊んでるで。その精神がこれからは重要やねん。

ちなみに見返してみぃや。ここの冒頭でワシ、どんな聞き方してた?

・・・!

ニヤリ。つまりはそういう事や。伏線回収完了や!

この一連をツイートしたらバズ確定やで。ワッハッハ!

ほな、精進しいやー!