common disease106

【臨床症状】70代 女性 ふらつき 左半身の違和感

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 冠状断 他
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➡ 造影画像
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    ▶答えはこちら
    • 各種シーケンスにて、右後頭葉に約6cm程度の腫瘤影を認める
    • 拡散強調でやや高信号、T2WIでもやや高信号を認め、周囲に浮腫性変化も伴い、造影効果も認める
    • T2WIやT1WIで腫瘤と脳表の間に脳脊髄液が存在するのが確認でき、脳実質外腫瘍である事が分かる
    上段左から拡散強調、ADC、T2WI、下段左からT1WI、FLAIR、CE画像
    • また腫瘍の表面にflow voidが確認できる事から、同様に脳実質外腫瘍と診断できる
    • 上記所見から、髄膜腫が最も疑われた
    • その他の所見として、右上顎洞に液体貯留と粘膜腫脹を認め、副鼻腔炎が疑われる
    左側がT2WIの冠状断、右側が造影画像の冠状断

    【髄膜腫】

    ・髄膜腫(meningoma)とは、髄膜皮細胞から構成されており、髄膜の分布に沿って好発する

    ・主な好発部位は、大脳円蓋部、傍矢状洞、大脳鎌、蝶形骨縁、トルコ鞍近傍、小脳テントなど

    ・原発性頭蓋内腫瘍の中で27%を占め、脳実質外腫瘍の中で最も高頻度

    ・やや女性に多く、中年以降に好発する

    ・エストロゲン、プロゲステロンレセプターが存在する事が分かっており、妊娠中に増大する事がある

    ・WHO分類ではGradeⅠ~Ⅲまであるが、大部分がGradeⅠの良性(悪性度が高くなるGradeⅡ(5~7%)~Ⅲ(1~3%)程度)

    ・組織学的には多くのサブタイプがある

    ・画像所見は、CTでは石灰化や骨肥厚を認める事がある

    ・MRIでは、T2WIとT1WIで灰白質とほぼ等信号で、強い造影効果を認める

    ・dural tail signと呼ばれる硬膜の肥厚像を認める事がある

    腫瘍と脳表との間に脳脊髄液(CSF cleft)や血管の存在を示唆するflow voidを認める事があり、これらは脳実質外腫瘍である事を示す画像所見

    ・外頸動脈の硬膜動脈が栄養血管である事が多い事から、血管造影などで放射状に腫瘍血管を認める sunburst pattern と呼ばれる所見を認める事がある

    ・分葉状であったり、壊死、出血、強い周囲への浮腫、浸潤傾向を認める場合は高悪性度の可能性がある(ただし良性でも認める事がある)

    ・2~7%で嚢胞を合併する事が知られている

    参考書籍:よくわかる脳MRI 改定第4版
         ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版

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