common disease63

【臨床症状】50代 数年前からの歩行障害

【問題】画像所見と診断名は?

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➡ 矢状断
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    • T1WI矢状断にて小脳や脳幹の著名な萎縮を認める
    • T2WIでは橋に十字の高信号、いわゆるhot cross bun signを認める
    • 線条体の萎縮や外側に線状の高信号は認めず、MSA-Pは否定される
    • 上記よりMSA-Cと診断できる
    • その他、特筆すべき異常所見は認めない

    【多系統萎縮症】

    ・多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は、脊髄小脳変性症の中に分類され、非遺伝性(孤発性)で、神経変性が小脳以外にも広がるものを多系統萎縮症としている

    ・臨床症状は、パーキンソンニズム、小脳症状、自律神経障害、錐体路障害などの組み合わせで徐々に進行する

    ・小脳皮質や橋核、オリーブ核、線条体、黒質、脳幹などに変性を認め、そこに疾患特異性の高い封入体(αシヌクレイン)が存在する事から、αシヌクレイノパチーに分類されている

    ・40代以降に発症し、孤発性がほとんど

    ・発症時には運動症状か、もしくは自律神経不全の片方の症状を有する事が多い

    ・予後は悪く、発症後平均5年で車椅子生活になり、8年程度で臥床状態となる

    ・優位となる臨床症状によって、大きく次の2つに分類されている

    1. MSA-C(小脳症状優位)
    2. MSA-P(パーキンソンニズムが優位)

    ・画像所見はMSA-CとMSA-Pで各々特徴的な所見がある

    《MSA-P》

    • 被殻の背外側優位の形態変化を認め、T2WIで萎縮による線状の高信号(Slit sign)を認める
    • 同部位に鉄沈着を認める事もあり、T2 StarやSWIが有効な事もある

    《MSA-C》

    • 橋や中小脳脚などの脳幹や小脳の萎縮を認める
    • 橋に橋横走線維の変性を示唆する、T2WIで十字型の高信号のhot cross bun signを認める事が多い

    ・診断にはMRIが有用だが、MRIの感度は76.9%、特異度は100%というデータもある

    参考書籍:よくわかる脳MRI 改定第4版
    参考文献:Luke A Massey, Caroline Micallef, Dominic C Paviour, et al:Conventional magnetic resonance imaging in confirmed progressive supranuclear palsy and multiple system atrophy

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