シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome:SjS)

ほれっ!

痛っ!いだだだっ!

ほれほれっ!調子に乗ってジムになんか行き始めるからですよ。全身筋肉痛の洗礼を味わって下さい!

シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome:SjS)とは

シェーグレン症候群の概要

・・・覚えとけよ。ワシがボディビル界の生きる伝説になっても、自分には、なんもあげへんからな。

今日はなんですか?

・・・恐ろしいで。ガン無視や。ワシのメンタルちゃん、大丈夫かな。

さて、気を取り直して、今日はシェーグレン症候群や。

シェーグレン症候群は、涙腺と唾液腺の外分泌腺障害を特徴とする自己免疫疾患の1つやな。

慢性炎症を起こす事で、外分泌腺組織が障害されてしまうねん。

中年に多く圧倒的に女性が多いんやけど、小児の場合は男児に多いんや。

頸部解剖

シェーグレン症候群の原因

原因は自己免疫反応や。遺伝的要因、環境的要因、免疫異常、女性ホルモン要因の4つが関連して発症すると考えられてるで。

一次性と二次性

ちなみにシェーグレン症候群は、膠原病の合併の有無で一次性と二次性に分類されて、一次性は他の膠原病の合併が見られないもの、二次性はRA(リウマチ)やSLE(全身性エリテマトーデス)を合併するものに分けられてるで。

更に一次性は、病変が涙腺や唾液腺に限局するものと全身性のものの2つがあるわ。

全身性には次のような病変が確認できる時があるで。

  • 甲状腺病変:甲状腺炎など
  • 肺や縦隔病変:気道病変、間質性肺炎(リンパ球性間質性肺炎)など
  • 心臓病変:心外膜炎や心嚢液貯留など
  • 消化管病変:全身性強皮症類似病変
  • 肝臓病変:原発性胆汁性肝硬変や門脈圧亢進症など
  • 腎病変:石灰化や腎性尿崩症など
  • 膀胱病変:間質性膀胱炎など
  • 関節や筋病変:関節炎や筋炎など
  • 神経病変:SLE類似の白質病変や多発単神経炎、脳血管炎、多発性硬化症類似病変、視神経脊髄炎など

悪性リンパ腫が合併する事もあるで。

シェーグレン症候群の臨床症状

主な症状は涙腺と唾液腺が障害される事での、慢性唾液腺炎と乾燥性結膜炎や。

俗に言う、ドライアイ、ドライマウスなんかやな。

シェーグレン症候群の治療法

治療法としては、根本的なものは無くて、症状による対処療法がメインや。点眼や人工唾液の噴霧なんかやな。

予後に関しては慢性的な経過を辿るんやけど良好やで。

シェーグレン症候群のまとめ

簡単にやけど纏めておいたで。

特徴
シェーグレン症候群自己免疫性疾患
単体の場合は予後は良い
慢性唾液腺炎と乾燥性結膜炎が主な症状で、中年の女性に多いが小児では男児に多い
他の膠原病の合併が無い一次性とRAやSLEを合併する二次性がある
一次性は唾液腺と涙腺に限局しているものと、全身性のものに分けられる
原因は遺伝や環境、免疫、女性ホルモンが関係している
治療法は基本的に対処療法

画像所見

シェーグレン症候群の画像所見

さて、次に画像所見についてやな。

初期のシェーグレン症候群の画像所見は特異的な所見はあらへんねん。せやから唾液腺や涙腺の臨床症状がある場合は本疾患を疑う事が必要や。

進行すると、唾液腺の両側腫大を認めるようになるで。

液腺に高吸収(もしくは高信号)と低吸収(もしくは低信号)が混在して見られる所見を、salt and pepper sign とも言ったりするで。

他には耳下腺のびまん性小班点陰影があったり、脱髄なんかによる脳実質内のT2強調画像と拡散強調の高信号を認めたりするな。

脊髄はT2強調での高信号で3椎体以上にまたがる病変の事が多いで。

なんかMSと似たような所見ですね。

そうや。そこが鑑別せなアカンポイントや。

MSと似たような画像所見を見た時には、唾液腺や耳下腺の所見があるかどうかが本疾患を鑑別にあげるポイントかもしれん。

一応各々の部位のまとめを作っておいたから参考にしてみーや。

部位画像所見
脱髄や虚血などを反映してT2強調、拡散強調で高信号になる
脊椎T2強調で高信号 3椎体以上の病変の事が多い
唾液腺、耳下腺びまん性腫大と点状陰影 慢性期には多発性の点状石灰化が出てくる(solta and pepper sign)

実際の症例

実際の症例や。60代の女性でドライマウスの症状がありや。

左右の耳下腺に多発微小嚢胞を認めるで。血液検査などで精査の結果、シェーグレン症候群と診断された例や。

特徴的と言えば特徴的な所見かもしれんな。

頸部MRI-シェーングレン症候群
左からT2WI、T1WI、脂肪抑制

鑑別診断のポイント

多発性硬化症(MS)

次に鑑別ポイントについて話していくで。

まず上で病名が出たMSがあるな。特に中高年でのMS疑いの時にはシェーグレン症候群も鑑別する必要があると言われとる。

鑑別ポイントとしては耳下腺や唾液腺、涙腺の所見があるかどうかやで。

他にはシェーグレン症候群に合併する疾患として、悪性リンパ腫やサルコイドーシスがあるという点や。

これもちょろっと話したけど、覚えておくべき鑑別疾患やな。

まとめ

今日はシェーグレン症候群についてレクチャーしたで。本疾患を疑うポイントは1つかな。

耳下腺、唾液腺のびまん性腫大と点状石灰化の有無

画像診断だけやと限界があるから、臨床所見も合わせてってとこになるで。

さて、もう筋肉痛が限界や。悪いけど、ワシを家まで送ってくれへん?

さて、僕も帰ろうかな。

くそ、マジで将来有名になっても他人のふりするからな。
ほな、精進しいやー!

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