脊髄損傷(spinal cord injury)

ふぅー。メチャメチャ疲れたわ。姉貴は結局何が言いたかってん。

捕まってましたね。

なんか話を聞くのってムズくない?聞いて欲しいだけなんか、解決策が欲しいのかが分からんわ。
漢字にすると「聞く」と「聴く」の違い的な?英語で言うたら、hearかListen的な?このへんがマスター出来れば、姉貴の話も軽く流せるんやけどな。

難しいですね。ちゃんと聴けてる人ってどれくらいの割合なんですかね?

意外とちゃんと聴ける能力を持った人は少ないと思うで。
そこそこおるやん、話しの本筋とは全然違うとこで質問してくる人。あれは聞けてても、聴けてはへん結果やと思うねん。

脊髄損傷(spinal cord injury)とは

脊髄損傷の概要

さて今日のレクチャーに入ろかな。今日は脊髄損傷や。はい、脊髄損傷について話してみぃ!

主に外傷によっ・・・

はい、正解!やるやん!

しいて付け加えるなら、脊髄損傷は外傷によって損傷するパターンと、外傷によって生じるうっ血や虚血によって生じる2次的な損傷の2つがあるで。

両方とも急性期に発生して、好発部位は頚髄レベル、損傷パターンは中心性脊髄損傷が多いわ。ちなみに中心性脊髄損傷というのは、中心部から両側性に挫傷を来す事や。上肢に優位の麻痺や感覚障害が発生するで。

合併症として神経原性ショック、呼吸器や消化器合併症、体温調節困難なんかがあるんや。

日本脊髄外科学会のデータやと、年間5,000人が脊髄損傷患者として報告されてるらしいな。20代と60代に多くて、原因は交通事故、転落、転倒の順に多いとの事や。特に高齢者の転倒による脊髄損傷が増えてきてるらしいで。

高エネルギー外傷イメージ図

脊髄損傷の分類

脊髄損傷の程度は完全損傷と不完全損傷があるんや。不完全損傷には更に中心性脊髄損傷、Brown Sequard症候群、前脊髄症候群、後脊髄症候群に分けられるで。

完全損傷:損傷部位以下の運動/感覚機能が完全に消失

不完全損傷:損傷が一部で、損傷部位以下のなんらかの運動/感覚機能が残存している

更に細かい分類についてはFrankel分類とASIA分類が有名やから載せておくで。

Frankel分類とASIA分類

Frankel分類
A(complete)  :障害レベル以下の運動、感覚の完全麻痺
B(sensory only) :障害レベル以下に感覚はある程度は残存しているが、運動は完全麻痺
C(motor useless):障害レベル以下に運動機能が残存しているが、実用的ではない
D(motor useful) :障害レベル以下に実用的な筋力が残っている
E(recovery)   :神経学的脱落なし(異常反射はあってもよい)
ASIA分類
A:S4、S5髄節の運動、感覚の完全麻痺
B:障害レベル以下の運動の完全麻痺、感覚は障害レベル以下やS4~S5髄節で残存
C:障害レベル以下の運動機能はわずかに残存しているが、MMT3未満
D:障害レベル以下の運動機能が残存し、筋力はMMT3以上
E:運動、感覚機能は正常

治療法

治療法としてはギプスや装具で固定して安静待機や。自発的な呼吸が難しい場合は呼吸確保なんかも行われるな。

完全損傷(麻痺)の場合はあまり予後は良くあらへんで。不完全損傷の場合はリハビリ等で回復が見込める場合もあるで。

画像所見

脊髄損傷の画像所見

では画像所見について知っている事を述べてみぃ!はい正解!素晴らしいですね!

もはや発言すら許されないのか。

CTでは骨折なんかは分かるけど、脊髄までは分からへん。そこを見たい場合はMRI一択やな。

損傷があればT2で(若干)高信号に写るで。これは浮腫なんかを反映しとるねん。矢状断で見て疑わしいとこを横断像で撮影する感じかな。適時脂肪抑制T2画像も追加してな。

T2で低信号、かつ亜急性以降でのT1高信号は出血(血腫)で、機能的な予後は悪いで。他には硬膜外血腫の有無も確認してーな。

注意点として受傷直後の急性期にはMRIで所見が出てこーへん事もあるからな。

実際の症例

実際の脊椎損傷画像や。

MRI画像 頚椎損傷
Case courtesy of Abiola Ayodele, Radiopaedia.org

鑑別診断のポイント

鑑別診断について

もうここまで来たら最後まで正解してまえ!鑑別診断のポイントを言うてみぃや!

おお!正解や!まぁここまで知識があるなら当たり前やな!脱帽や。もはや帽子を通り超して脱毛や!髪なくなるで!

エッヘン!

調子に乗んなや。シバくぞ。何にも言ってへんやないかい。

・・・・

脊髄損傷における鑑別診断はサルコイドーシスなんかかな。サルコイドーシスは頚髄に好発するとも言われとるで。T2強調で高信号で長軸方向に進展していくのと、内部に造影T1強調で斑状の異常増強陰影が出てくるで。

圧迫骨折については、骨粗鬆症と病的との鑑別が必要や。骨粗鬆症の場合は、基本的にお案じような所見やから交通事故などの外傷のエピソードの有無が重要や。病的骨折は、椎体だけやのーと椎弓根や後方成分まで進展してくる事が特徴やで。

まとめ

さて今日は脊髄損傷と圧迫骨折についてレクチャーしたで。せっかくやから最後までやれや!

はい、問題ありません。OKです!

惜しむらくは、ポイントは1つ~みたいな話し方の方が分かりやすかったかな。でも全然OKやで。気にせんといて。

ちなみに、付け加えるとしたら、これらの病態は診断自体はそれほど難しくないんやけど、同じような画像所見を示す他の原因があるからその鑑別が重要やという事や。特に非外傷性での圧迫骨折は骨粗鬆症か病的かで治療方針が変わってくるから要注意やで。脊髄損傷についてはT2強調での所見が微妙な時もあるから良く見て読影するようにな。結構アーチファクトと紛らわしい時があるで。

はい、という事で今日は以上です。良く出来ました!

まぁちなみになんやけど、自分、ええ感じでこの一連のやり取り出来てたで。ワシの欲しいポイントでちゃんと乗ってくれたしな。

冒頭に言った、聴く事に関しては問題無いんちゃうか?

ですよね!

は?

すみません。

冗談や。ええ感じやで。
ほな、これからも精進しいやー!