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ふーん。で?
もくじ
卵巣茎捻転(torsion of the normal ovary, ovarian tumor)とは
卵巣茎捻転の概要
言ってみただけやん。そんな軽くあしらわんといてや。
ってな訳で、今日は卵巣捻転について話していくで。
卵巣捻転は急性腹症の中でも早急に対応が必要なものの1つやねん。
急激な腹痛で発症する事が多くて、何らかの原因で卵巣が捻転して虚血、壊死になってまう事や。
壊死すると敗血症から腹膜炎にまでなる事もあるから早急な対応や治療が必要やで。
卵巣の解剖
卵巣は子宮上端の左右にあって母指頭程度の臓器で重さは数グラム程度で、骨盤漏斗靭帯と卵巣固有靭帯(固有卵巣索)で固定されてんねん。
表面は漿膜(胚上皮)と白膜、内部は皮質と髄質で構成されてるで。
機能としては、排卵やプロゲステロンやエストロゲンなんかのホルモン分泌や。これは受精、着床、妊娠に重要なホルモンやで。
卵巣捻転の原因
捻転原因としては、腫瘍による茎捻転と正常卵巣の茎捻転の2パターンがあんねん。
両方とも若年層に多いで。
腫瘍茎捻転
腫瘍茎捻転は婦人科救急疾患の3%程度や。その中でも妊娠中における機能性嚢胞の茎捻転の頻度が高いと言われてて、全茎捻転のうち20%前後が妊娠期間中とのデータもあんねん。
種類的には成熟嚢胞性奇形腫、機能性嚢胞、嚢胞性卵巣腫瘍なんかがあって、これらをまとめて卵巣嚢腫とも呼んだりしてるで。
卵巣嚢腫は周囲との癒着を生じへんのも捻転の原因の1つやと言われとる。
他に大きさも捻転の要因で4cm以上あると捻転のリスクが上がるとも言われとるで。
このへんは子宮筋腫との違うところやな。子宮筋腫は大きくなりすぎると逆に捻転のリスクは少なくなんねん。
通常は一側性で右側に多いわ。これには左側はS状結腸靱帯なんかがあるからと言われとるな。
捻転発見タイミングにもよるんやけど、捻転解除すると実に90%程度が正常に戻るというデータもあるで。
正常茎捻転
正常茎捻転はもっと若い思春期前が好発時期や。卵巣と子宮の発達程度の違いから卵巣の方が大きくて可動性が大きい事、卵巣の固定が不十分な事が原因としてあげられるな。
妊娠中や若年者に多いという事は小児や閉経後には起きないんですか?
ええ質問や。普通に考えるとそうなると思うんやけど、実はそうでもないんやで。腫瘍性茎捻転の17%は小児や閉経後というデータもあるんや。
また初経前の小児の卵巣茎捻転の70%が正常卵巣茎捻転というデータもあるで。
臨床症状と治療法
臨床症状は下腹部の急激な痛みや。ただ捻転が自然整復されると痛みも治まる事があるとの事や。
治療法は一刻も早く捻転を解除する事や。ただ腫瘍性の場合は切除することも多いらしいな。
この辺りは年齢も考慮しながら選択されるで。
最近は腹腔鏡で対応出来るケースも増えてきてて、そっちの方が体への負担も少なくて済むからええな。
ちょっとまとめてみよか。こんな感じやな。
頻度 | 原因 | 臨床症状 | |
---|---|---|---|
卵巣腫瘍性茎捻転 | 妊娠中に多い 機能性嚢胞の茎捻転 右側に多い 小児や閉経後でも起きる | 元々卵巣嚢腫があった事に加え、妊娠の進行による子宮増大 腫瘍の大きさが6cmを超えると捻転の危険性が増えると言われている | 腹痛、悪心、嘔吐、腹膜刺激症状 |
正常卵巣茎捻転 | 小児~思春期前に多い 小児の卵巣捻転の70% | 卵巣と子宮のサイズ 卵巣の可動と固定が不十分な事 など | 同上 |
画像所見
卵巣茎捻転の画像所見
続いて画像所見についてや。
まずは次のような項目を覚えておくとええ。
- 捻転による索状構造と嘴状突出(beak sign)の有無
- 子宮の患側への偏位
- 腫瘍性捻転は索状構造と卵管壁の肥厚が特徴的
- 正常卵巣茎捻転においては1㎝前後の嚢胞状構造を伴った腫瘤性病変
- 虚血や壊死の場合は造影効果を認めない
まず腫瘍茎捻転と正常卵巣茎捻転に共通する画像所見やけど、卵巣と子宮の間に捻転による索状構造や、嘴状突出(beak sign)、後は子宮の患側への偏位があるで。ただこの辺りのサインはCTやと難しい場合が多いで。
子宮の偏位は捻転によって子宮が卵巣に引っ張られる事で起きるで。
正常卵巣茎捻転やと、CTやMRI、超音波検査のいずれにおいても、辺縁に1㎝前後の嚢胞状構造(これは拡大した卵胞構造なんやけど)がある腫瘤性病変が認められんねん。これが意外と見分けるサインになったりするで。
他には虚血を調べる場合には造影は必要やな。例えば正常卵巣茎捻転の場合、T2強調画像は血流障害による浮腫で基本的に高信号なんやけど、虚血から壊死に至った場合は低信号になんねん。
基本的にはこれで鑑別する事が出来るんやけども、高信号でも壊死に至ってる場合もあるから、造影して血流評価をするのが一番や。
超音波のカラードプラも検査しておくと尚ベストやで。
腫瘍茎捻転の場合は成熟奇形腫やとT1強調でHighになるから、造影しても染まってるか微妙な時があんねん。その時はT1脂肪抑制を撮影しておいて造影後の画像とサブトラ(Subtraction)をしておくと、造影効果の判断が出来るで。
ただこれも悩ましいのが、卵巣は卵巣動脈と子宮動脈の2重支配を受けてんねん。せやから完全な虚血になりにくい事があるとされとる。特にCTではMRIほどコントラストがつかへんから注意が必要やな。
いかにCTで引っかけて、MRIの精査に回せるかやな。
実際の症例
正常卵巣茎捻転や。腫瘤性病変の中に小さな嚢胞状の構造贓物が確認出来るやろ。
捻転によって拡大した卵胞構造や。この所見を見たら、捻転を除外する必要があるで。
鑑別診断のポイント
漿膜下筋腫
続いて鑑別診断についてやけど、腫瘍茎捻転は漿膜下筋腫と紛らわしい場合があるで。
この鑑別のポイントは、次の通りや。
- 子宮の偏位があるか無いか
- 正常卵巣が同定出来るかどうか
- 腫瘤から子宮に向かう突出像が確認出来るかどうか
筋腫の場合は子宮の偏位無し、卵巣同定可能、突出像無しの画像所見や。
正常卵巣茎捻転は、特徴的な画像所見やから知ってさえいれば、特に診断に苦慮する事も無いやろ。
他の婦人科領域の急性腹症は卵巣出血なんかがあるで。
まとめ
今日は卵巣捻転についてレクチャーしたで。ポイントは3つや。
婦人科領域の急性腹症で卵巣腫瘍茎捻転と正常卵巣茎捻転がある
索状構造と嘴状突出、子宮の偏位、嚢胞状構造を伴った腫瘤性病変(正常卵巣捻転)
腫瘍茎捻転は妊娠中に多くて、正常卵巣茎捻転は小児~思春期に好発する
こんな感じや。どちらも虚血の有無を診断する事が重要やで。
今日はこんな感じにしとこか。ご静聴ありがとうございました。
ありがとうございました??どうしたんですか?いきなり。
インフルエンサーたるもの、いつどこで講演の依頼があるかも分からん。そのときの練習や。今のうちからやっておかな。何事も事前準備が重要なんやで。もはや誰が見てるか分からんからな。普段の振る舞いが重要やで!
ほな、精進しいやー!