【臨床症状】40代 数か月前からの下肢の痺れ
【問題】画像所見と診断名は?
※ T2WI、T1WI、脂肪抑制の矢状断、T2WIの横断像の順に表示
▶答えはこちら
- L4/5の椎間板に後外側型(傍正中型)のヘルニアを認める
- L5の神経根を強く圧迫し、S1以下の神経根も圧迫しているのが確認できる
- 臨床症状の責任病巣だと考えられる
- その他、特に異常所見はなし
【椎間板ヘルニア】
・椎間板ヘルニアとは椎間板が何らかの原因で変性し背側側へ飛び出している状態で、神経を圧迫するなどの症状を来す
・具体的には線維輪の断裂や膨隆、髄核の脱出が生じ、神経根や脊髄馬尾、脊髄が圧迫される状態
・20代に多く、30代、40代、10代と続く
・若い世代は腰椎ヘルニアの割合が高い
・腰椎ヘルニアではL4/5のヘルニアが最も多く、次いでL5/S1
・椎間板ヘルニアは保存的治療だけで自然消退、あるいは臨床症状の改善が得られる事がある
・以下のようなヘルニアは自然退縮を来しやすいとも言われている
- 脱出型あるいは分離型
- 後縦靭帯を超えるもの
- 6mm超の大きなもの
- T2強調像で高信号を示すもの
- 辺縁に造影効果を認めるもの
・また椎間板ヘルニアには以下のような分類がある
<形態による分類>
- ヘルニア:椎間腔を超えた椎間板組織の限局性変位で、椎間板全周の50%を超えないもの
- 膨隆:椎間板の突出が椎間板全周の50%を超えるもの
- 線維輪断裂:線維輪の椎体からの剥離、線維輪の放射状あるいは同心円状の断裂
- 突出:いずれの断面でもヘルニアの最大径がヘルニア基部の径を超えないもの
- 脱出:少なくとも1つの断面でヘルニアの最大径がヘルニアの基部を超えるもの
- 移動:脱出したヘルニア片が椎間板の上下方向に移動すること
- 分離:ヘルニア片が移動し、元の椎間板と連続性を失った状態
- 椎体内ヘルニア:上下の椎体にヘルニアを来した状態
<部位による分類>
参考文献:骨軟部疾患の画像診断 第2版
- 正中型(後正中型)
- 傍正中型(後外側型)
- 椎間孔または外側型(椎間孔内外側型)
- 椎間孔外型