【臨床症状】90代 ベッドから落ちた
【問題】画像所見と診断名は?
➡ 3D画像
※ 胸部Xpの4日後にCT検査を実施
▶答えはこちら
- CT画像の骨条件にて右肋骨に骨折を認める
- 右第5、6肋骨は腹壁側、8~11肋骨は背部側、第7肋骨はその2部位で骨折を認める
- また少量の血胸も認める
- 単純Xpで見られた右下肺の陰影は今回のCTでは確認できない(血胸にてカバーされている可能性あり)
- 上記より肋骨骨折、血胸の診断となる
- 他、食道裂孔ヘルニア、腎嚢胞あり
【肋骨骨折/血胸】
<肋骨骨折>
・鈍的外傷で最も多い損傷形態
・交通外傷のような高エネルギー外傷の他、転倒や咳で骨折することもある
・多発骨折では胸郭の変形が起こりやすい
・2カ所以上の骨折や、連続した3本以上の肋骨が骨折している時には、胸郭動揺(吸気時に胸が凹み、呼気時にふくらむ現象)が起こりやすい
・肋骨の下縁に肋間動脈があり、血管損傷を来しやすい
・第1、2肋骨は周囲に鎖骨や筋肉などの組織があるため骨折の頻度は少ないが、ここが骨折していると大血管や気管、頚髄などの損傷も来している事がある
・主な症状は、圧痛や皮下出血、腫脹など
・治療法は保存療法がほとんどで、疼痛が強い場合はバストバンドなどが使用される
<血胸>
・血管損傷などにより出血が胸腔内に貯留した状態のこと
・軽度高吸収の混在する混濁した液体のCT値が特徴
参考書籍:すぐ役立つ救急のCT・MRI 改定第2版