【臨床症状】50代 交通事故
【問題】画像所見と診断名は?
※ T2WI、T1WI、脂肪抑制の矢状断、T2WIの横断像の順に表示
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- Th-2レベルの胸髄内にT2強調像で高信号域を認め胸髄の損傷が疑われる
- またTh-2の椎体上縁からTh4の硬膜嚢の背側~右側にはT2強調像で低~高信号域を認め、胸髄を圧迫していることから外傷性の硬膜外血腫と考えられる
- C7~Th1レベルにも右側からの硬膜嚢の圧迫を認め、硬膜外血腫疑い
- 他、各椎間板にて軽度の膨隆を認め頚髄の圧迫が疑われる
【脊椎損傷】
・脊髄の損傷転機には、以下の2パターンがある
- 直達外力による脊髄損傷(脊髄挫傷)
- 外傷後に生じる循環障害による二次的な損傷
・基本的に高エネルギー外傷によるものが多いが、椎間板変性や靭帯などの退行性変化があれば、中程度の以下のエネルギー外傷でも脊髄損傷を来しうる
・発生数は100万人あたり年間49人で、頚髄損傷が88%、受傷原因は転倒が39%と最多¹⁾
・重症度分類にはFrankel分類、ASIA(American Spinal Injury Association Impairment scale)分類などがある
・脊髄損傷の好発レベルは頚髄で神経学的にも頚髄レベルが問題になる
・頚髄損傷のパターンは、中心部から両側性に挫傷を来す中心性脊髄損傷が多い
・中心性では上肢優位に運動麻痺や感覚障害を来す
・受賞直後には症状が無くても、ある程度経過してから出現することもあるので注意する
・腹側側の損傷では、両側の麻痺と温痛覚の障害が症状として出てくる
参考文献:すぐ役立つ 救急のCT・MRI 改定第2版
1)Miyakoshi N, Suda K, Kudo D, Sakai H, Nakagawa Y, Mikami Y, Suzuki S, Tokioka T, Tokuhiro A, Takei H, Katoh S, Shimada Y. A nationwide survey on the incidence and characteristics of traumatic spinal cord injury in Japan in 2018. Spinal Cord 2021; 59: 626-634