【臨床症状】70代 腹痛精査 腹部に腫瘤蝕知
【問題】画像所見と診断名は?
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- 上行結腸壁の肥厚を認める
- 周囲脂肪織の濃度上昇と外側円錐筋膜の肥厚も認める
- またリンパ節腫大もある
- 単純検査のみではあるが、上記より上行結腸癌、リンパ節転移、腹膜播種疑いとなる

- FDG-PETを実施し同部位に高集積を認めたが、まずは上行結腸癌のリンパ節転移、腹膜播種を疑うが、集積の程度から悪性リンパ腫の除外が必要との診断になり、診断確定のために他院に紹介となる
- その後、紹介先の施設で、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、化学療法を実施した

【悪性リンパ腫】
・悪性リンパ腫は血液中のリンパ球が癌化した状態
・リンパ節や脾臓などのリンパ組織に発生するが、脳や腸管、肺、骨髄など非リンパ組織にも発生する
・原因はウィスル感染、自己免疫疾患、免疫不全などがあるが、原因が不明な事も多い
・男性に多く、70代以降に増加する
・CRPやLDH、可溶性IL-2レセプターなどのデータが診断の参考になる
・病理学的には70種類以上の分類があるが、大きく分けてホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別される
・非ホジキンリンパ腫は、さらに成熟B細胞リンパ腫と成熟T細胞およびNK細胞リンパ腫に分類される
・最も悪性度が高いバーキットリンパ腫では、進行が早く週単位で状態が変化する
・発生部位によりリンパ節に発生する節性、リンパ節以外の臓器に発生する節外性に分類さる
・病期分類には、Ann Arbor分類や、Lugano分類がある(Lugano分類はAnn Arbor分類の修正版)
Reprinted with permission from Cheson BD, et al., Recommendations for Initial Evaluation, Staging, and Response Assessment of Hodgkin and Non-Hodgkin Lymphoma: The Lugano Classification, J Clin Oncol. 2014; 32(27): 3059-3067. ・治療法は化学療法と放射線治療で、ステージによって変わる
<消化管悪性リンパ腫>
・消化管悪性リンパ腫は、消化管のみに病変が認められる一次性と、全身性の部分症としての二次症があり、頻度は二次症が多い
・半数が胃に発生し、次いで小腸に多い
・9割以上が非ホジキンリンパ腫で、その中でも、びまん性大細胞B細胞性リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)が多い
・胃を中心に表層進展するMALTリンパ腫があり、ピロリ菌との関連が示唆されている
・画像所見としては、びまん性の壁肥厚を認め、腫瘤形成の場合は造影は軽度で内部に血管を認める事がある
・肝転移、播種、腹水は比較的少ないと言われている
・消化管原発悪性リンパ腫ではLugano分類(1994)が用いられている
参考文献:日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版
消化管原発悪性リンパ腫の
Lugano病期分類Ⅰ期 消化管に限局した腫瘍で、単発または非連続性の多発病変 Ⅱ期 消化管の原発部位から腫瘍が腹腔へ進展した状態
リンパ節浸潤が限局性→Ⅱ1、遠隔性→Ⅱ2ⅡE期 近接の臓器または組織へ進展する漿膜の浸潤
※リンパ節浸潤と近接臓器、両方の浸潤がある場合は、病期は数字とEの両方が記載されるⅣ期 リンパ外への播種性浸潤または消化管病変に横隔膜を越えたリンパ節病変を伴う Rohatiner A, et al. Report on a workshop convened to discuss the pathological and staging classifications of gastrointestinal tract lymphoma. Ann Oncol. 1994; 5(5): 397-400.
参考書籍:頭頸部の画像診断 改定第2版
ジェネラリストを目指す人のための画像診断パワフルガイド 第2版