悪性腫瘍15

【臨床症状】50代 下腹部の違和感

【問題】画像所見と診断名は?

CT_20240720173546_Image007
 
➡ MRI画像(単純)
MR_20240720174236_Image054
 
➡ MRI画像(造影)
MR_20240724100426_Image288
 

    ▶答えはこちら
    • CT画像で亀頭部分にやや造影される病変を認める
    • 明らかな尿道海綿体や陰茎海綿体への浸潤は認めない
    • MRIでは尿道海綿体や一部尿道への造影効果を認めT3疑い(炎症波及の可能性もあり)
    • 鼠経リンパ節への転移、優位な腫大は認めない
    • 上記より、陰茎癌(少なくともT2、Jackson分類2期)と診断される
    造影CT画像
    造影MRI画像

    【陰茎癌】

    ・陰茎癌(penile carcinoma)は比較的稀な癌で、ほとんどが扁平上皮癌

    ・60~70代に多く、亀頭が好発部位

    ・HPV[(ヒトパピローマウィルス)感染の関与が示唆されている

    病期分類はJackson分類とTNM分類が用いられる

    ・リンパ節転移の有無が予後を大きく左右する(5年生存率は2期までなら90%、3期以降なら50%程度にまでなるというデータもある)

    ・深達度とリンパ節転移には相関がみられ、T1症例ではリンパ節転移の確率が20%なのに対し、T2以降は~66%にまで上昇する

    ・T2は尿道海綿体への浸潤の有無、T3は陰茎海綿体への浸潤の有無

    ・鼠経リンパ節転移はサイズによる診断は困難な事がある(健常者でも腫大する事がある、炎症への反応性で腫大する事がある等)

    ・治療法はT3までなら外科的治療、早期ならレーザー治療も選択肢になる

    <Jackson分類>

    • 1期:腫瘍が亀頭部、包皮、もしくは両者の表層に限局している
    • 2期:腫瘍が陰茎体部に浸潤している
    • 3期:鼠経リンパ節転移を認めるが手術可能
    • 4期:腫瘍が陰茎体部を超えて浸潤しているか、手術不可能な鼠経リンパ節転移、もしくは遠隔転移を認める
    参考書籍:知っておきたい泌尿器のCT・MRI 改定第2版

    PickUp

    1

    もくじ1 日本とアメリカの放射線科医数2 日本と世界の検査機器保持数3 読影医不足問題4 放射線技師 ...

    2

    もくじ1 基本的な読影の流れ2 頭部読影の流れ3 胸部読影の流れ4 腹部読影の流れ5 自分なりの読影 ...

    3

    精神と時と読影の部屋 ここに迷い込んだからには、読影が出来るようになってから帰ってもらうで! まずは ...