ワシな、地元の友達3人とまとめて「地味ーズ」って言われてたんや。
結構有名やってんで?
(・・・返事に困る)
なんや、その顔は。なんか言えや。
もくじ
急性膵炎(acute pancreatitis)とは
急性膵炎の概要
急性膵炎の概要
さて、今日のレクチャー始めるで。今日は急性膵炎や。
急性膵炎は、何らかの原因で膵臓が急性炎症を起こしている状態の事や。
元々膵臓には、膵液(消化酵素)を作る役割があんねんけど、通常は膵管を通って十二指腸に分泌されて食物と混ざってんねん。
これが何らかの原因によって膵臓内で膵液が活性化して、膵臓自体をも自己消化してしまっているパターンや。
病理学的には、炎症による浮腫期、壊死や出血による破壊期、仮性嚢胞を形成する組織吸収期という流れを辿んねん。
ちなみに、原因は大きく2つあって、アルコールと胆石や。
大酒飲みの急性膵炎とか聞いて事あらへんか?
それはこれが背景にあんねん。原因については後でもう少し詳しく話すで。
病態は一過性の軽症例から重症例まで様々や。特に重症例では致死率が10%以上とまで言われてるで。
致死の原因には多臓器不全や、感染性膵壊死による敗血症などがあるで。
病態の進行程度で浮腫性膵炎(壊死を認めない)と、壊死性膵炎(壊死を認める)に大別されるで。当然、壊死性の方が予後不良や。
ちなみに重症度判定には、予後因子から判定する方法と画像所見から判定する方法があんねんけど、今回は画像診断の方を中心にレクチャーしてくで。
急性膵炎の診断基準
急性膵炎には診断基準があって、次の3つのうち2つ以上が該当して、他の急性腹症が除外された時に診断されるで。
- 上腹部に急性腹痛と圧痛
- 膵酵素(アミラーゼ)の上昇
- 画像診断で膵に急性所見がある
見て分かる通り急性膵炎に対しての画像診断の持つ意味は大きいねん。
急性膵炎の原因
主な原因はアルコールと胆石が多いのは話した通りや。
胆石が40%程度、アルコールが30%程度でこの2つで70%を占めんねん。他には突発性や医原性、外傷性なんかやな。
ちなみに薬剤でも膵炎を起こす事があって、これを薬剤性膵炎とも呼んでるで。
何でアルコールが関係しているかというと、アルコールの過剰摂取で膵液分泌が刺激されて多量の膵液が作られ、膵管内の圧力が高くなんねん。その結果、膵液が行き場所を失って、膵臓自体を溶かしてしまうという流れや。
胆石の場合は、胆石が落石して総胆管と膵管が合流するVater乳頭部付近で詰まる事が原因やで。これによって膵液の流れが滞って膵管内の圧が上昇して、行き場を失った膵液が自己消化を始めてしまうねん。

ちなみに膵臓の役割は大きく2つあって内分泌と外分泌機能や。具体的には以下の通りやで。
- 内分泌:インスリン(血糖低下)やグルカゴン(血糖上昇)の分泌
- 外分泌:膵液(消化酵素)の分泌
解剖的な点から、膵胆管合流異常や外科手術後、ERCP後にも起きうる事が知られてるで。
臨床症状と治療法
臨床症状
臨床症状は腹痛や嘔吐、背部痛、発熱なんかや。
特に腹痛はメッチャ痛いらしいで。Chest-knee positionという言葉や特徴的な体位まであるくらいや。体育座りで横になるみたいな感じやな。
重症例になると呼吸困難、意識障害、ショック症状が見られることもあるで。
治療法
治療法は絶飲食と補液や。絶飲食で膵臓を安静、保護させるのが第1や。
必要に応じて消化酵素阻害剤や、感染防止のために抗生物質を投与する事もあるらしいで。腹痛に関しては鎮痛剤の投与でコントロールするんやて。
重症例になると、炎症が全身に波及して多臓器不全になる事もあって、その時はICUで治療する事もあるんや。膵臓周囲に壊死や膿瘍を形成している場合は、治療が難渋する事も多いらしいな。
胆石の場合は自然と排出される事が多いらしいねんけど、石が大きい場合はERCPなんかで排出させる事もあるらしいな。
画像所見
急性膵炎の画像所見
続いて画像所見についてや。
最初に、急性膵炎の画像所見の要点や。
- 膵腫大、輪郭の不鮮明化
- 動脈相での造影効果低下を認めた場合、虚血性膵炎では静脈相では造影効果あり、壊死性膵炎では造影効果なし
- 膵周囲への炎症波及(前腎傍腔、結腸間膜根部、腎下極以遠)
- 腹水の有無
- 腎筋膜(Gerota筋膜)の肥厚
アトランタ分類
アトランタ分類によると、画像上で間質性浮腫性膵炎(interstitial edematous pancreatitis)と壊死性膵炎(necrotizing pancreatitis)に分類してんねん。
間質性浮腫性膵炎は炎症所見と膵周囲に液体貯留を認めるものや。壊死を示す所見はあらへん。多くは軽症で1週間程度で改善するで。
一方の壊死性膵炎は壊死を示す造影不領域があるパターンや。虚血性の場合もあるから発症から1週間後も造影不良域があった場合を壊死性としてるで。もちろんこっちの方が予後不良や。
重症度判定
あと重要な点でCTでの重症度判定について話していくで。
これは膵腫大の有無、膵実質の変化、周囲への炎症波及程度の3つで診断していくんや。
画像診断では次の表が有名かつ知っておかなアカンから頭に入れといてや。CTの画像所見によってGradeが3つに分けられるで。この中でGrade2以上を重症と判定すんねん。


前腎傍腔とか結腸間膜根部とか、腎下極以遠とか、普段あまり聞かへん言葉が出てきてるけど、これらの解剖を知っておかんと判定出来ひんで。コレを気に覚えておいてや。
ざっくり言うと、前腎傍腔は膵周囲、結腸間膜根部は膵臓の腹側(中結腸動脈周囲)、腎下極以遠は腎の足側までの事や。
ここに炎症が波及しているかどうかを判定していくねん。

臨床所見などで急性膵炎が疑われたらCT造影撮影。膵腫大を認めたら、造影不良域と炎症波及レベルの確認しGrade判定。
これが急性膵炎診断の大まかな流れやな。造影不良域もパターンによって虚血の場合と壊死に至ってる場合が分かる事もあるで。
ちなみに年齢によって膵実質が変化していく事(膵臓の脂肪置換)も覚えておくとええで。
一般的に年齢を重ねるごとに膵が萎縮していって、脂肪変性で膵内部が不均一になるから造影不良域と間違わないように注意や。
実際の症例
60代 男性 急激な腹痛
実際の画像を見ていこか。
この症例は、膵周囲の炎症所見を認めるで。造影不良域は認めへん。臨床データと合わせて急性膵炎の診断(Grade1)の診断となっとるで。

40代 男性 CRP:26.9 WBC:22700
40代男性の別症例や。膵周囲の炎症と、膵尾部の造影不領域を認めるで。
壊死が1部位、前腎傍腔のみ炎症波及で画像上ではGrade1になるかな。

鑑別診断のポイント
鑑別診断について
次に鑑別診断やけど、膵膿瘍、膵仮性嚢胞、膵癌、などがあるんやけど、急性浮腫性膵炎の場合は明らかな異常所見を示さない事がも少なくないで。
慢性膵炎&高齢者の場合は元々の膵萎縮があったところに急性膵炎による膵腫大をしても、一見通常と同じような大きさにしか見えない事もあって、膵腫大が分かりづらい事もあんねん。
ちなみに慢性膵炎との鑑別やけど、慢性膵炎は膵実質にびまん性の石灰化、膵管結石の有無で判断出来るで。
他には主膵管および分枝膵管の不正な拡張、主膵管の不規則な拡張および膵辺縁の凸凹の変性があると疑わしいな。

他の急性腹症
今日は急性膵炎についてやけど、他の急性腹症はこちから見てみてーや。
まとめ
今日は急性膵炎についてレクチャーしたで。ポイントは3つ。
アルコールと胆石が2大原因
CT画像で膵腫大、輪郭の不鮮明化、造影効果の有無、周囲への炎症波及の有無を確認
CT画像で壊死の有無、炎症波及部位を確認し、重症度判定を行う
重症度判定やとGrade1~3に分けられてて、Grade2以上が重症となっとるで。
これは動注療法を選択する判断材料になるからGrade判定は必要やで。
今日はこんな感じかな。中々盛り沢山やったな。
以上、地味ーズからでした!
(・・・返事に困る)
なんや、その顔は。なんか言えや。
ってな訳で、ほな精進しいやー!