なーつが過ーぎー、風あざみー。誰のあこがれにーさまようー♪
エモい。音程合ってない所が更にエモい。
もくじ
精巣捻転(testicular torsion)とは
精巣捻転の概要
ふん、うっさいわ。さっさとレクチャー始めるで。
男子なら分かるあの痛み。今日は精巣捻転や。
精巣捻転は急性陰嚢症の中でも再頻出で、外科的緊急性の高い疾患やで。
捻転する事でうっ血や虚血を生じて出血壊死を来すから早めに診断をつけて対応する事が重要や。
思春期前後の男性で、就寝中に発生する事が多いらしいな。
疼痛や陰嚢発赤腫脹、腹膜刺激症状などが主な臨床症状や。
精巣捻転の分類
精巣捻転には分類があるんや。
まず大きく2つのパターンがあんねん。鞘膜内捻転と鞘膜外捻転や。これらは捻転軸によって分けられとる。
さらに鞘膜内捻転には捻転する部位によって更に精巣捻転と精巣間膜捻転に分類されるねん。
つまり、
- 精巣外捻転
- 精巣捻転
- 精巣間膜捻転
のように分類されるって事やな。
精巣鞘膜とは精巣全体を覆う膜と考えてもらってもOKや。
精巣捻転の原因
原因は精巣が固定や癒着が緩かったりする事で発症するで。これは成長過程なんかも関係していると言われているで。
ちなみに鞘膜内捻転は小児期から思春期、鞘膜外捻転は新生児期に好発するんや。
成人で発症するパターンは確率的には稀で、特に30歳以上だとほぼあらんへん。
捻転は左精巣が多いらしいわ。なんでも左精巣が長いからとかあるらしいけどホンマなんかな。
今度、泌尿器の同期に聞いてみる事にするわ。
治療法
次に治療についてやけど、基本的には外科的に捻転を解除する方法が多いで。
ただ精巣温存のゴールデンタイムがあって、温存のためには12時間以内に捻転整復をする必要があるとの事や。
それ以上経過すると、虚血から壊死に至る確率が高くなんねん。
血流の有無の確認には、超音波のカラードップラーも有効やで。
ちなみに発症後6時間以内なら9割が回復するのに対して、24時間経過すると温存率がメチャ低下すんねんて。
画像所見
精巣捻転の画像所見
精巣捻転はCTよりはMRIの方が断然有効や。
せやから今回はMRIの所見について話していくわ。各シーケンスの信号強度をまとめてみたで。
精巣温存が可能かどうかの診断、言ってみれば出血壊死の有無が重要やな。
状態 | T2強調 | T1強調 | ADC | 造影 |
---|---|---|---|---|
出血壊死なし (12時間以内@温存の可能性が高い) | 正常(若干高信号@浮腫を反映している) | 正常 | 正常 | 欠損 |
出血壊死あり(温存の可能性は低い) | 高信号と低信号が混在(浮腫とデオキシヘモグロビンが混在しているため) | 正常(軽度高信号@デオキシヘモグロビンのため) | 一部低下域あり | 欠損 |
自然整復 | 正常(若干高信号) | 正常 | 正常 | 正常 |
虚血になっているかどうかは造影効果で判断するんや。
MRIの他には超音波も検査も有効やで。参考までに超音波の画像所見も載せとくで。
状態 | 超音波 | カラードプラ |
---|---|---|
出血壊死なし (12時間以内@温存の可能性が高い) | 正常 | 正常~低下 |
出血壊死あり(温存の可能性は低い) | 低~高 | 血流欠損 |
自然整復 | 正常 | 正常~増加 |
ポイントは超音波だとカラードプラ、MRIだと造影前後のサブトラクションとT2強調画像や。
サブトラで造影効果を認めなくても、T2強調画像で12時間以内かどうかの判断が可能な事もあるんやで。
実際の症例
実際の画像や。右精巣がT2WIやDWIでも低信号やな。造影後でも濃染不良ありや。壊死が起きてる状態と考えられるで。
鑑別診断のポイント
精巣上体炎など
急性陰嚢症の中で鑑別が必要になってくるのが、精巣上体炎、精巣付属器捻転、精巣炎あたりやな。
精巣上体炎との鑑別は精巣自体が正常(血流があるか)かどうかや、精索の信号強度も参考になるで。
もちろん血流があれば精巣上体炎や。
まとめ
今回は精巣捻転についてレクチャーしたで。ポイントは2つや。
精巣温存のゴールデンタイムは12時間
画像所見での血流の有無を確認する
精巣捻転は、まさにゴールデンタイム中に対応出来るかどうかやがキーやな。
通常は超音波で診断が可能やからMRIまで回ってくる事はあまりあらへんかもしれん。
ただ画像所見は知っておくのは重要や。偶発的に発見される事もあるかもしれんし。
今日はこの辺にしとこか。
8月は夢花ー火。私の心は夏模様ー♪
ほな、精進しいやー!