ぎゃははは!
爆笑じゃないですか。何かあったんですか?
おぉ!若造か。ちょっとコレ見てみぃ!
「トラ〇プ元大統領、UNOと間違われてブチ切れる!」
なんやねん、コレ、メッチャ面白いやろ?表情も完全にブチ切れてるモードやで。更に記事読んでみぃな。
「私は例え最後の一人になっても決してUNO!とは言わないだろう。何故なら私の周りにはドロー4やドロー2を常時持っている側近がいるからだ。」
さすがやで!もはや否定してるんか肯定してるんかが分からんわ。この辺のアメリカ人の懐の大きさは半端ないで!
もくじ
虫垂炎(appendicits)とは
虫垂炎の概要
アカン、笑いすぎてお腹が痛いわ。虫垂炎レベルで痛いわ。
まさか、ここで病名が出てきたって事は今日は虫垂炎・・・
ご名答!やるようになってきたやんけ。今日は虫垂炎を話していくで。
まず虫垂炎の説明からや。
虫垂炎は糞石などで虫垂内腔が閉鎖して、それが原因で2次的に細菌感染した状態や。
- 何等かの原因で虫垂が閉塞する
- 内圧が上昇する
- 血流が途絶えるなどの循環障害が起きる
- 周囲に出血、細菌増加する
- 虫垂炎になる
こんな流れや。若い人に多い傾向があるんやけど、中年以降も発生するで。
虫垂炎は放っておくと、穿孔して炎症が腹膜まで波及して腹膜炎までになる事があるから意外と注意が必要やねん。
進行度によっては緊急オペの対象になるし、かつ救急では遭遇する頻度が高い疾患の1つやで。
臨床的には右下腹部痛がメインの症状で、Mucburney点の反跳痛が特徴的なんや。WBCやCRPが上昇しているかどうかも重要やな。
【虫垂炎の代表的な圧痛点】
- McBurney(マックバーニー)点 → 臍と右上前腸骨棘を結ぶ線上の腸骨棘から5cmの点
- Munro(モンロー)点 → 臍と右上前腸骨棘を結ぶ線の中点
- Lanz(ランツ)点 → 左右の前腸骨棘を結ぶ線を3等分し右から1/3の点
- Lummel(キュンメル)点 → 臍から右下方に数cmの点
虫垂炎の治療法
ちなにみ虫垂炎になったら必ずオペするってイメージがあると思うねんけど、実は程度によっては絶食と抗生剤、補液なんかで保存的に経過を見る事があるで。
これは臨床症状や白血球などの値によって判断する事が多いとされとる。
いずれにせよ保存的加療の場合は初期の軽い症状の時やな。
虫垂炎のまとめ
以下が虫垂炎のまとめや。
- 糞石などによる何らかの原因で虫垂に炎症が起きた状態
- 30代までの若い人に多い
- 60歳以下の急性腹症の原因で25%、小児に限っては急性腹症の原因は32%
- 穿孔すると腹膜炎にまで至り致死的になる事もある
- 主な症状は右下腹部痛で発熱や嘔吐も伴う事がある
- 右下腹部はMcBurney点の反跳痛が有名
- 組織学的に炎症が粘膜(粘膜下層)に限局するカタル性虫垂炎、全層に好中球が浸潤するが層構造は保たれる蜂窩織炎性虫垂炎、壁壊死が見られる壊疽性虫垂炎、穿孔性虫垂炎の4つに分類される
- WBC(白血球)やCRPが高値になる
- 治療法は基本的に外科的手術になるが、初期の場合は保存療法も選択される事がある
画像所見
虫垂炎の画像所見
続いて画像所見についてやな。
虫垂炎については、次の所見があるかどうかのチェックせぇ。
- 虫垂が6mmを越える腫大
- 周囲脂肪組織の毛羽立ち
- 虫垂壁の肥厚と造影増強効果
これらが主な画像所見で、
- 虫垂結石(糞石)
- 腸間膜リンパ節腫大
- 盲腸壁肥厚
- 虫垂周囲の液体貯留
- 虫垂周囲の膿瘍や管腔外のエアー
これらが2次的な所見や。
主な所見が該当すると虫垂炎の可能性大や。また虫垂結石(糞石)の有無も要確認や。
糞石は穿孔して腹膜炎になる可能性がある事からオペの適応判断に使われんねん。
CTで中々虫垂が同定出来ない事があるんですが、何かコツってありますかね?
もしかして自分、アキシャル(横断像)だけで見てへん?
実は虫垂は色んな方向に存在してんねんで。教科書的に見るパターンだけやなくて、背側にぐるっと回るパターンもあんねん。
これらはコロナルで見ると分かりやすい事が多いで。コロナルで見るとエアーを含んだ管腔構造が見えるからな。
コロナルであたりをつけて、最後アキシャルで見るとどこに虫垂があるか一発やで。
場合によってはthin sliceが必要なもんもあるけど、意識して見るとホンマに多くの虫垂のパターンがあるのが分かると思う。
実際の症例
50代男性 右下腹部痛の精査
虫垂の腫大と周囲の脂肪組織濃度上昇を認めるで。虫垂炎の診断となって後日切除術が実施されとる。
50代女性 下腹部痛の精査
別症例や。虫垂の腫大と液体貯留、周囲の脂肪組織濃度上昇を認めるで。
70代女性 下腹部痛、下痢精査
こっちは虫垂壁の造影効果と、周囲に脂肪組織濃度上昇(毛羽立ち)が認められるで。
鑑別診断のポイント
鑑別診断について
さて鑑別診断のポイントやけど、右下腹部痛を来す疾患は多岐にわたるから臨床症状からの判断は難しいな。
主な右下腹部を示す疾患は炎症性腸炎や憩室炎なんかがあるで。
やっぱ画像診断が重要やねんけど、虫垂炎が軽微な場合は判断に難しい事があるで。
虫垂憩室炎や虫垂癌なんかも鑑別が難しい事が多いわ。まずは虫垂炎の典型的な画像所見パターンを覚えとく事やな。
虫垂腫大 壁肥厚 壁の造影効果 周囲組織の毛羽立ち 糞石の有無この辺りを頭に叩き込んでおいてーな。
まとめ
今日は虫垂炎をレクチャーしたで。ポイントは3つ。
急性腹症の中で虫垂炎の割合は2~3割と多い
右下腹部痛が特徴的でMcBurney点などいくつかの圧痛点がある
虫垂肥大(6mm以上)、壁肥厚と造影効果、周囲組織の毛羽立ち、糞石の有無が画像所見
こんな感じや。
ちなみになんやけど、当直なんかでこの症例にあたる事が結構あんねん。
昼間は基本的に放射線科医がおるから大丈夫なんやけど、夜はおらへん事も多いやろから、自分が読めるようになっておいて、そっと当直医に「アッペですわ」って伝えてあげられると、ええ感じに感謝されるで。
いいですね!
ほな、精進しいやー!