読影の流れ その3

CTの基礎 ~造影剤とは~

今日は造影剤について話していきます。

造影剤はよう使うな。

ヨード系造影剤とは

CT検査だけでなく、MRI検査、IVRにも使われる造影剤。

この造影剤ですが、検査する部位や目的によって使ったり使わなかったりします。それは何故なのか、そもそも造影剤とは何?という所も含めて話していきます。

CTで使われる造影剤は一般的にヨード造影剤と呼ばれるものがほとんどです。

ヨウ素はX線を多く吸収します。このヨウ素を含む造影剤を血管内に流し撮影する事で、画像上にコントラスト(濃淡)をつけます。各種臓器は栄養血管が決まっているので、観察したい部位によって多少撮影タイミングが違ってたりする事がありますね。また血管とリンパ節の鑑別なんかにも有効です。

ちなみに大半は尿中排泄されます。なので検査後は水分摂取を言われる事が多いですね。

このような特性を利用して、単純検査では分からなかった臓器や腫瘍の血行状態を確認したり、尿路系の確認をします。つまりヨード造影剤を使う事で、より詳しく検査する事が出来るんですね。

CT検査におけるレッド〇ルみたいなもんです。造影剤を使う事で、CT画像に翼が授けられます。

ただ目的によっては単純検査で十分な事もあるので、造影剤を使うのはメリットとデメリットを比較してメリットが上回る時です。被ばくもしますしね。

ここで疑問に思いませんか?なんでヨードなの?って。他の物質じゃダメなのでしょうか。

造影剤の条件

CTで使用する造影剤は次のような特徴を持つ必要があります。

  • X線を強く吸収する(原子番号が高い) → X線を吸収してコントラストをつけられないと投与する意味が無いですからね
  • 水に溶けやすい(加工しやすい)
  • 速やかに体外排出される → いつまでも体内に残っていると悪さをする可能性がある
  • 毒性や副作用が少ない → 副作用が少ない(ない)に越したことはない!

体内に入れるので、これらの条件は当然といえば当然ですね。

簡単に言うと、ヨウ素はこれらの要素を持つ物質なのです。ヨウ素だけに!

ヨウ素以外の物質は?

例えば、X線を吸収する物質にはバリウムがあります。そう、胃の検診で使用するあのバリウムです。

あのバリウムもX線を吸収しますが、水に溶けにくいという特性があります。しかも固まりやすい。

なので静脈注射は出来ません。血管内で固まったしまったら、それこそ一大事です。

バリウム検査後に下剤を処方された経験がある人がほとんどだと思います。それはバリウムが固まる前に出さないと大変な事になるからなんです。ちなみに大腸内で固まったら手動で掻き出します。もちろん医療機関で。絶対に個人ではやらないように。大変な事になります。

他にはタングステンなどもX線を吸収しますが、毒性が高いという特徴があります。

このように、現状ではヨウ素が一番使いやすいんです。

注意点

ヨウ素は普段生活していてもある程度摂取しています。特に海藻類に多く含まれていますね。

通常、生活していてヨウ素(ヨード)摂取量は200~300μg程度と言われています。※ちなみにこのヨウ素から甲状腺ホルモンが作られています。

一方で、60kgの人に造影剤を使用する場合、だいたいですが3~3.6g程度が体内に入っています。

単位が違う事に注目してください。かなりの量を使っているのが分かると思います。

当然、甲状腺に負担がかかるので、甲状腺疾患がある人は使えない場合があります。特に未治療の甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症の人はNGになる事が多いです。※治療中でコントロールされていればOKなケースもあります。

また過去にヨード造影剤のアレルギーを起こした人も禁忌です。アナフィラキシーは回数を重ねる事で重症化する事があるので、副作用歴は重要です。患者さんの中にはCTかMRIの造影剤の区別がわからない人も多いので、よく問診しましょう。

他に、気管支喘息、重篤な心疾患、重篤な肝障害、マクロブリン血漿、多発性骨髄腫、テタニー、褐色細胞腫などは原則禁忌になっていますので、造影剤を使用する場合は、これらの疾患がないかどうかも注意しましょう。

他の注意点としては、ビグアナイド系糖尿病薬は、造影剤投与後48時間は服用中止にする必要もあります。

このように注意事項が多くあります。

副作用の種類

今でこそ副作用の発生頻度は少なくなりましたが、数十年前はイオン性の造影剤が多く使用されていて副作用が多かった時期もあります。※ちなみに今は非イオン性が主流です。

主な副作用には、軽度の蕁麻疹程度からショックまで様々なものが起きる可能性があるので、急変時に対応できる環境も必要です。

副作用の種類は、造影剤の添付文書に記載されています。一度は確認しておきましょう。

また急変対応マニュアルの有無の確認しておいてください。実際に副作用が発生した時に、一番最初に対応するのは技師です。

この時、対応マニュアルがあるのとないのでは、全く違った結果になりかねないので、もし無ければ整備しておきましょう。

このように適切に使用すれば、かなり有用性が高いものになります。

技師たるもの、使用している薬剤はどんなものなのか、簡単に概要くらいは覚えておくべきです。

ではまた次回!

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