読影の流れ その9

MRIの基礎 ~造影剤~

今回はMRIの造影剤についてです。
CTの時もやりましたね。

MRIの造影剤

以前、CTの造影剤について記載しました。重なる部分も多いので、一度CT造影剤を復習してから読んでもらえるとより良いかと思います。
では始めましょう!

CTで使われる造影剤はヨード造影剤でした。

一方、MRIで使用する造影剤はガドリニウムという金属が使われています。

ガドリニウムは毒性の高い金属ですが、キレート化合物にする事で毒性を抑えています。

ガドリニウム製剤はT1短縮効果がメインなので、間違っても造影後にT2のみ撮影して終わりなんて事は無いようにしましょう。先輩技師や読影医からキレられます。造影剤はT1、これを絶対に忘れないでください。

直鎖型とマクロ環型

MRIの造影剤には直鎖型とマクロ環型があります。

以前は直鎖型が多く使用されていましたが、体内でガドリニウムが外れやすいというデメリットがありました。そのため、直鎖型で特に重篤な副作用として、透析患者への投与においてNSF(腎性全身性線維症)のリスクが高まるというのがあります。

またGdの連続使用で、脳(小脳)に微量ながら蓄積されているという論文も有名ですね。

これを解決したのがマクロ環型です。

両者の違いを簡単に説明すると、ガドリニウムイオンを保持する構造が直鎖状か環状かです。輪っかになっていた方が強力に保持されるのはイメージしやすいですね。

ただあくまで安全性が改善したというだけであって、透析患者への投与は基本的にNGです。

現在、使われているガドリニウム製剤はほとんどがマクロ型だと思います。だからと言って、副作用がゼロになる訳じゃないので注意してください。

排泄経路

造影剤の排出経路ですが、ほとんどが尿中排泄されます。

腎機能が正常な人であれば、投与後4~6時間で約8割が尿中排泄され、24時間後にはほとんど残っていません。

ただ腎機能が悪い人、高齢者、幼児などはこの限りではありませんので注意が必要です。

ちなみに血中濃度の半減期は2時間程度です。

ガブガブ飲んで、早めに体外に出しちゃいましょう。体内に残しておいても何も良い事はありません。

注意点

ガドリニウム製剤の副作用にNSF(腎性全身性線維症)があるのは、前の方で話した通りです。

これが厄介で、皮膚の線維化が主な症状で、発症してしまうと現在では治療法がありません。(体内に蓄積されたガドリニウムが線維化を引き起こすと考えられています)

そのため腎機能が悪い人への投与は慎重に検討する事が多いです。通常はクレアチニン値やeGFRは必ず確認します。ここで腎機能の低下が疑われると、場合によっては造影中止になるかもしれません。

透析している人はNGな事が多いです。

禁忌

次に造影禁忌について。

過去に造影剤でアレルギー(過敏症)を起こした人は基本的に使いません。

また気管支喘息、重篤な肝障害や腎障害がある、状態が極度に悪いケースは原則禁忌ですが、医師の判断によるところが大きいです。投与するデメリットよりもメリットが上回ると判断された時には、投与される場合もあります。

妊婦、幼児へは慎重投与とする施設が多いですね。

副作用の種類

その他の副作用は以下のようなものがあります。

吐き気や発疹、かゆみ、頭痛、めまいなど軽度なもので、これらは約1%の確率で起きます。

頻度は少ないですが、アナフィラキシーショック、血圧低下、呼吸困難など、重篤な症状が出るケースもあります。すぐに対応できるように日頃からシミュレーションしておきましょう。

特に若手の時は、いざその場に出くわすとパニくる事も多いです。日頃からシミュレーションしておくといいです。

今回はMRIの造影剤について話しました。

最低でも。過去の副作用歴、腎機能のチェックの2点だけは頭の中に入れておきましょう。

ではまた次回!

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