MRIの基礎 ~アーチファクト~
MRIもいよいよ大詰め!
撮影知識は今回が最後です!
MRIのアーチファクト
今回で撮影系に関する項目はひとまず終わりです。
そして機器系最後の項目は、アーチファクトについてです。
CT同様、MRIにも代表的なアーチファクトがありますので、この機会に知っておきましょう。
では順に見ていきます!
生理的要因によるもの
まずは生理的要因でアーチファクトが発生するパターンです。代表的なもので以下のようなものがあります。
①呼吸性アーチファクト
呼吸(息止め不良など)による体動アーチファクト。位相方向にゴーストと呼ばれる線状のアーチファクトがいくつも出る。モーションアーチファクトとも言う事がある。ダイナミックで息止めの時に出た時の終わった感はハンパない。
対策はしっかりと息止めをする事。もしくはナビゲーションを使う。
②拍動アーチファクト
心臓や血管などからの拍動が原因で、位相方向に非連続性のアーチファクトが出現する。対策は位相を影響の少ない方向に変えるか、血管かの信号を低下させるプリサチュレーションパルスというのを打つ。ただ、実際はある程度は出てしまうものとしている事が多い。本当に邪魔なら位相を変える。
③フローアーチファクト
主に血液の流れによるアーチファクト。フローボイド現象が有名。これもプリサチュレーションパルスを打つと改善する事が多い。
物理的アーチファクト
次に物理的な要因で発生するアーチファクトです。代表的なもので以下のようなものがあります。
④折り返しアーチファクト
FOVが撮像対象よりも小さい時に、はみ出した部分が映り込むアーチファクト。対策はFOVを広げるか、オーバーサンプリングを行う事。後者の方がよく使われる。こっそり折り返っている事もある。ベテランが気づかずにPACSに登録してしまうと、呆られるヤツ。
⑤ゼブラアーチファクト
磁場不均一によるもの。磁場中心から離れた部位やFOVで撮像する時に出る縞状のアーチファクト。対策は撮像部位を磁場中心に持ってくるか、FOVを広げすぎない事。体がデカい人の肘撮影で絶望する事もある。
⑥ケミカルシフトアーチファクト
水と脂肪が異なる共鳴周波数を持っている事が原因。臓器の辺縁などで出る事がある。片側が高信号で、対側が低信号になる。対策はバンド幅を広げるか脂肪抑制をかける。
ちなみにバンド幅を広げるの意味がよく分からなかったら無理して覚えなくてOK。MRI大好きな先輩に言えば、喜んで調整してくれる。
⑦磁化率アーチファクト
組織の磁化率の違いによって磁場の歪みが生じ、限局的な信号低下が発生する事がある。体内金属や、歯科矯正器具などをつけているとよく見られる。SE系のシーケンスで撮影すると、影響が少ない。これを逆に利用したのが、T2*画像やSWI。
システム系アーチファクト
最後にシステム系のアーチファクトです。
⑧RFアーチファクト
RFコイルの不具合や、ラジオ波干渉によるもの。位相方向に高信号と低信号の縞状のアーチファクトが発生する。対策は検査室内にはMRI対応のものを使用する事、コイルが故障していれば修理が必須。
⑨スパイクアーチファクト
検査室内の静電気などが原因で、格子状のアーチファクトが出る事がある。対策は検査室内の湿度を一定に保つ事。それでも改善しなければ機器の故障が考えられるのでカスタマーサポートへ連絡。
以上、メジャーなアーチファクトについて記載しました。
これらは日頃の検査で目にしているアーチファクトが多いです。
この他にもT2-shine-throughやマジックアングルアーチファクトのような、知らないと診断に影響が出てしまうのようなものもあるので、一つずつ覚えていきましょうね。
次は所見の書き方についてです。
講師も桑さんにバトンタッチです!