読影の流れ その15

読影の流れ ~腹部編~

今回は腹部や。これも検査数が多いな。

画像確認の流れ

今回は腹部やけど、この部位も検査数が多いな。

ちなみに、一言で腹部と言っても、上腹部と下腹部があるで。

今回はそのあたりも含めて見ていくからな。

検査目的/撮影部位/撮影条件/左右差等の確認

依頼内容、モダリティ、部位、スライス厚、撮影シーケンスの種類等を確認や。この辺は今までと同様やからサラッとにするで。

画像の確認

腹部には以下のようなものが含まれてるで。

肝胆膵、脾臓、腎膀胱、大血管/リンパ節、大腸、小腸(空腸、回腸)、前立腺、子宮卵巣など。

これらを確認漏れがないように体系的にチェックしていくんや。

読影手順

以下はあくまでも一例や。何度も言うように、漏れがないように確認できれば、この通りじゃなくてもOKやで!

まず肝胆膵脾を確認、そのまま腹部大動脈から総腸骨動静脈やリンパ節を見て、脊柱管内の確認、そして腎膀胱。最後に大腸~小腸。

この順であれば上下方向のスクロールで連続して確認できるで。大腸は直腸から盲腸まで追うように確認するんや。やせ型の人なんかは見づらい事も多いんやけど、丹念に追っていけば盲腸付近まで追えるで。

これらはCTでの確認方法やけど、MRIの場合でも応用が利くで。

【肝胆膵脾】

辺縁不整や吸収濃度の違いを見て、炎症、腫瘍の有無を確認する。炎症があればCTで脂肪組織に軽い濃度上昇が見られる事が多い。

悪性腫瘍(癌)の代表的な造影パターンは覚えておく。

急性膵炎のCT grade分類は救急の時に必要になるかも。技師でも覚えておいて損はない。

胆嚢腫大は8㎝以上、胆嚢壁は3㎜以上、胆管は7㎜以上を有意所見とする。

加齢で膵臓が脂肪置換する事もある。高齢者では膵臓(膵管)の確認が難しい場合も。

脾臓の動脈相でまだら状に染まるのはモアレ像と言って、病的所見ではない。新人にドやれる豆知識。

【大血管】

動脈瘤や乖離の有無を確認。造影していれば狭窄しているかどうかも。

特に上腸間膜動脈狭窄/閉塞は生命に関わるからダッシュでDr(依頼医や診断医)に報告する!

血管の周囲にはリンパ節も点在しているので、主な腫大がないかどうかも確認しておく。

【脊柱管内】

外傷の場合は血種がある場合がある。神経症状があれば注意して見る。

【腎膀胱】

水腎症、結石、炎症、腫瘍の有無を確認していく。

腎から尿管は慣れるまでは片側ずつ見ていく。尿管結石と静脈石が紛らわしい事があるので、尿管が追いにくい時は適時シンスライス画像で。合わせて副腎腫大の有無も確認しておく。

腎嚢胞のBosniak分類が有名。複数の隔壁を持ってたり、脂肪抑制T1で不均一な高信号の場合は悪性の可能性あり(CategoryⅡF)なので注意。

【前立腺/子宮卵巣】

前立腺では腫大や腫瘍の有無を確認していくが、CTでは前立腺癌の指摘は難しい事が多い。前立腺癌はMRI一択。

子宮卵巣も同様でMRIの方が情報量は多い。捻転や腫瘍の有無などを確認。子宮は体部筋層、体部内膜、頸部に病変があるかどうかをチェックする。

特に漿膜下子宮筋腫(有茎漿膜下筋腫)は捻転を起こす事があり、急性腹症の原因の一つ。

【小腸/大腸】

大腸は、直腸から順に追っていき、盲腸まで確認する。特に虫垂は横断増だけでは確認が難しい事があるので、冠状断も参考にする。

虚血性などの各種大腸炎や虫垂炎、腸閉塞、腸ヘルニアなどを確認。

炎症が進行すると穿孔して腹腔内に腸管内物が漏れ出す事もあり(dirty fat sign)腹膜炎の原因にもなる。

腹部は範囲が特に広く多くの臓器や器官があるから、漏れなく確認する事が何よりも重要や。最初のうちは時間がかかると思うんやけど、経験を重ねると段々と早くなってくるので心配せんでええで。

経験数がものを言うからな。

ほな、また!

前回:画像確認の流れ14 ~胸部編~  次回:画像確認の流れ16 ~椎体編~

画像確認の流れトップに戻る

PickUp

1

もくじ1 日本とアメリカの放射線科医数2 日本と世界の検査機器保持数3 読影医不足問題4 放射線技師 ...

2

もくじ1 基本的な読影の流れ2 頭部読影の流れ3 胸部読影の流れ4 腹部読影の流れ5 画像確認の流れ ...

3

精神と時と読影の部屋 ここに迷い込んだからには、読影が出来るようになってから帰ってもらうで! まずは ...